藤浪 アスレチックスと合意 あるぞ大谷と開幕カードで激突 単年4億円超で契約

[ 2023年1月13日 05:30 ]

藤浪
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 阪神の藤浪晋太郎投手(28)がポスティングシステムでアスレチックスと大筋合意に達したことが12日、分かった。単年のメジャー契約で年俸は300万ドル(約4億円)超。メディカルチェックで問題がなければ正式契約となる。ア軍は同学年の大谷翔平投手(28)が所属するエンゼルスと同じア・リーグ西地区で3月30日(日本時間31日)からの開幕カードで対戦予定。高校時代からライバルとして注目された両者の運命が、再び交錯する。

 「FUJINAMI」の新天地はア・リーグ西地区の古豪、アスレチックスに決まった。20年地区王者も資金難で主砲オルソン、エース右腕モンタスら主力を次々と放出した昨年はリーグ最低の勝率・370で地区最下位に沈み再建途上。単年ながら希望通り先発要員のメジャー契約となる藤浪は、ローテーションの3~5番手の辺りを争う立場になる。

 ア軍は同学年で二刀流で活躍する大谷が所属するエンゼルスと同地区。今季も3月30日からの開幕カードなど162試合中、13試合を戦う。かねて藤浪は「自分がメジャーにいれば対戦機会もあると思うので、楽しみというか、できたらいいなと思っています」と語っていた。大谷は3月にWBCに出場するため現時点で開幕カードの起用法は不透明だが、先発枠に入れば「打者・大谷」と対戦する可能性は十分。公式戦での対戦が実現すれば阪神時代の13年以来、実に10年ぶりとなる。

 高校時代はともに怪物右腕として注目され、プロでもライバル関係が続いた大谷は二刀流のスター選手となり、18年からはメジャーに戦いの場を移した。藤浪も新人から3年連続2桁勝利をマークしたが以降は制球難に苦しみ昨季も3勝に終わった。それでも大リーグ公式サイトは「与四球率をキャリア最高の7・6%に下げた」と昨年の制球の改善を強調。投球フォームの安定などが要因で代理人のスコット・ボラス氏も「終盤の3、4カ月で彼は大きく向上した。スプリット、速球の制球が良くなった」と活躍に太鼓判を押す。

 レッドソックス・吉田、メッツ・千賀に続くこのオフ3人目のメジャー移籍。両者のように好実績を引っ提げての大型契約ではないが、もうすぐ夢がかなう。11日に渡米しており、メディカルチェックで問題がなければ正式契約を結ぶ予定だ。

 栄光と低迷。歩んできた道のりは違うが、再び宿命のライバルと同じ舞台に立つ。失うものはない。大谷よりも4センチ高い1メートル97の長身から投じる最速162キロの直球と140キロ台のスプリットを武器に、アメリカンドリームをつかんでみせる。

 ◇藤浪 晋太郎(ふじなみ・しんたろう)1994年(平6)4月12日生まれ、堺市出身の28歳。大阪桐蔭では3年時にエースとして史上7校目の甲子園春夏連覇を達成。12年ドラフト1位で阪神入団。1年目から先発に定着し、15年まで3年連続2桁勝利をマーク。20年10月19日ヤクルト戦で球団最速(当時)の162キロを計測。21、22年は開幕投手を務めた。17年WBC日本代表。NPB通算189試合57勝54敗11ホールド、防御率3.41。1メートル97、98キロ。右投げ右打ち。

 ▽オークランド・アスレチックス フィラデルフィアを本拠地として、1901年のア・リーグ創設から参加。カンザスシティーを経て68年からカリフォルニア州オークランドに移転。通算9度の世界一はヤンキース(27度)カージナルス(11度)に次ぎ、レッドソックスと並ぶ歴代3位。ア・リーグ西地区に所属し、22年は60勝102敗で79年以来43年ぶりの100敗超えで地区最下位。日本人選手は過去に藪恵壹、岩村明憲、松井秀喜、岡島秀樹、中島裕之(メジャー昇格なし)が在籍。本拠はオークランド・コロシアム。マーク・コッツェイ監督。

 ≪狙う「ローテ3番手以降」≫大リーグ公式サイトも藤浪がア軍と1年契約で合意に達したと伝え、藤浪の加入によって総勢11人による先発ローテーション争いが繰り広げられると報じた。当確は昨季チーム最多9勝の左腕アービンと昨季7勝も前半戦の活躍で球宴に唯一選出された右腕ブラックバーンの2人。藤浪、カプリーリアンら右腕5人、ブレーブスから新加入のミュラーら左腕4人の計9人が3番手以降を争う構図となりそうだ。

 【藤浪VS大谷アラカルト】

 ☆高校時代 12年3月21日の選抜大会1回戦で大坂桐蔭と花巻東のエースとして投げ合いが実現。藤浪は初回に150キロを記録するなど9回2失点で完投勝利を挙げたが、2回の大谷との初対戦で右翼席中段への先制ソロを被弾した。

 ☆プロ野球 13年5月26日に甲子園でプロ初対戦。阪神・藤浪は7回1失点で白星を挙げたが「5番・右翼」でプロ初の中軸を務めた日本ハム・大谷には4、6回にともに二塁打を許した。

 ☆プロでの投げ合い 14年3月8日のオープン戦(甲子園)で大谷が5回1失点で白星を挙げ5回5失点の藤浪が黒星。同じく甲子園だった同年7月19日の球宴第2戦でも先発で投げ合い、藤浪は2回4失点、当時プロ野球最速タイの162キロを記録した大谷は1回1失点だった。

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