野球殿堂入りのランディ・バース氏 ファンの記憶に強く刻み込まれた「至高」本塁打3選

[ 2023年1月13日 15:15 ]

<1986年6月26日 巨人ー阪神戦>8回、プロ野球タイ記録の7試合連続本塁打を放った阪神・バース(投手・江川)
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 1985年の阪神の日本一に貢献し、2度の3冠王に輝いたランディ・バース氏(68)が13日、エキスパート表彰で野球殿堂入りすることが決まった。NPBに在籍した6年間で、偉大な記録だけでなく、鮮烈な記憶も残した最強助っ人。忘れられない「至高」本塁打を3本紹介する。

 【1986年6月26日 巨人ー阪神12回戦(後楽園)】

 5ー5で迎えた8回、バースは第5打席に向かった。この試合まで6試合連続本塁打。相手ベンチで見つめる巨人・王貞治監督(当時)の持つプロ野球記録に並ぶためには、ラストチャンスかもしれないアットバットだった。マウンドには江川。真っ向勝負を選んだ巨人のエースに対し、阪神の主砲もベストのスイングで応えた。渾身のストレートをたたいた一撃は、後楽園の右翼場外へ。新たな伝説を作った男は「グレート(素晴らしい)」と江川の心意気を真っ先に称えた。

 【1985年10月26日 日本シリーズ第1戦 西武ー阪神(西武)】

 重苦しい空気が一瞬にして消え去った。7回まで0ー0。記録的猛打でセ・リーグを制した阪神打線も、日本シリーズ特有の雰囲気の中で沈黙が続いた。ようやく訪れた8回無死一、三塁の先制機。用意周到な西武ベンチは、バースのところで左腕の工藤をマウンドへ送った。ここまで無安打のバースは、大きなカーブをとらえ、打球は左翼スタンドへ。決勝となる1号3ランが、阪神21年ぶりの日本一への号砲となった。

 【1985年4月17日 阪神ー巨人2回戦(甲子園)】

 猛虎フィーバーの「原点」がこの試合にあった。巨人が3ー1とリードした8回。2死一、二塁のチャンスで、3番のバースに打席が回ってきた。ここまで打率・133、0本塁打。不調にあえいでいた助っ人は、巨人・槇原の投じたボールを逆らわず、打ち返した。バックスクリーンに飛び込む1号逆転3ラン。続く掛布、岡田もほぼ同じ場所に打ち込んだ「バックスクリーン3連発」は、伝説の第一歩になった。

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