阪神・近本 同点打だ好捕だ9日の失敗帳消し「どんな形でもいいので(つなぎたい)という気持ちだった」

[ 2022年10月11日 05:15 ]

セCSファーストステージ第3戦   阪神3―2DeNA ( 2022年10月10日    横浜 )

セCS1<D・神>6回、近本は同点適時二塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 阪神の近本が失敗を帳消しにした。1点劣勢で迎えた6回無死二塁の場面。矢野監督は犠打を指示した。しかし2度のバントファウル。追い込まれた後は強攻策に切り替わった。運命の6球目だ。カウント1―2から浜口の直球をはじき返した一打は右翼フェンス直撃の二塁打。窮地から一転、ひと振りで同点とし、流れを変えた。

 「(犠打は)失敗したというのはあるが、なんとか、どんな形でもいいので(つなぎたい)という気持ちだった」

 9日の第2戦では1点劣勢の7回1死三塁の好機で初球の直球を打ち損じて三邪飛に倒れた。唯一にして最大の好機を逸したことが響いて敗戦。その反省と胸に秘めた悔しさをバットで晴らした。8日の第1戦では決勝打を放ったように、今CSは勝負どころで近本に打席が回ってくる。矢野監督から短期決戦のキーマンに指名された背番号5が再び期待に応えた。

 守備でも魅せた。1点優勢の6回先頭で代打・桑原が放った左中間への飛球をダイビングキャッチ。抜けていれば、長打確実の一打を好捕でピンチの芽をつんだ。

 「最初は(捕るのは)無理かなと思いながら(打球を)追っていた。追っていくうちに、ボールが変化して、いける(捕れる)かなとなった」

 くしくも矢野監督就任1年目の19年が自身にとってもプロ1年目のシーズンだった。「矢野チルドレン」の一員として、この試合を最後にするわけにはいかなかった。昨年の開幕直後は不振に悩み、指揮官に悩みを打ち明けたこともあった。「チカ(近本)らしく、やりたいように思いきりやってくれ」。これまで幾度となく、背中を押してもらった。

 恩返しをしたい――。12日にはヤクルトとのCSファイナルSが幕開けする。「決して諦めない」。矢野野球の申し子が「俺たちの野球」を最後まで体現する。(長谷川 凡記)

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