DeNA 9回1死満塁、一打逆転サヨナラの場面で代打・藤田が初球併殺終戦…三浦監督「よく頑張った」

[ 2022年10月11日 05:30 ]

セCSファーストステージ第3戦   DeNA2―3阪神 ( 2022年10月10日    横浜 )

<D・神>9回1死満塁、藤田はヘッドスライディングも及ばず二ゴロ併殺打に倒れる(撮影・北條 貴史)
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 DeNA・三浦監督の脳裏に3年前の光景が思い出された。横浜スタジアム、阪神、初戦を落とし、3戦目で1点差敗退。全てが同じだった。ベンチで終戦を見届けしばらくぼうぜん。そして重い口を開いた。「選手たちはよく頑張った。全員で食らいついて、最後まで諦めずに戦った」

 壮絶な幕切れだった。2―3の9回。湯浅相手に、先頭の牧が左前打。4番は塁上で吠えた。その後、四球と代打オースティンの中前打で1死満塁。一打逆転サヨナラの好機に、本拠地は異様な盛り上がりを見せた。だが、40歳の代打・藤田が初球を二ゴロ本塁併殺。一塁ベースに高校球児のように頭から滑り込んだ背番号3は下を向き動けなかった。

 指揮官は19年も2位チームの投手コーチとして、本拠地でCSファーストSに臨んだ。その時も3位阪神の前に力尽きた。これでセのファーストSは、16年にDeNAが2位の巨人を破ってから、6回続けて2位チームが敗退。監督として同じ舞台に戻り、リベンジの虎退治に挑んだが結果は非情。「終わった瞬間は悔しさしかなかった」と振り返った。

 就任2年目で、昨季は借金19の最下位に沈んだチームは躍進は果たした。今季は石井野手総合コーチ、鈴木打撃コーチ、斎藤チーフ投手コーチと、98年V戦士が仲間に加わり、選手の意識も変わった。ブルペンの切り札となった伊勢は、3連投のこの日も3者凡退。1点を追う9回は守護神・山崎を送って流れをたぐり寄せようとした。それでもあと一手、届かなかった。

 「選手たちは疲労でボロボロだったと思うが泣き言も言わず戦ってくれた。でも結果ですから…」。横浜反撃の道はついえた。3日のレギュラーシーズン最終戦後、DeNAとしては初の複数年で契約を延長した。98年以来の頂点への挑戦は続く。この悔しさを胸に刻み、戦いは再び始まる。(大木 穂高)

 ▽DeNAの19年CSファーストS敗退 球団3度目、シーズン2位でのCS進出は初となり、3位阪神と本拠・横浜で対戦。10月5日の第1戦は筒香の先制3ランなどで6点リードするも、救援陣が粘れず7―8と逆転負け。6日の第2戦は同点の9回に代打・乙坂がサヨナラ2ラン。6―4で劇的勝利を挙げたが、7日の第3戦はわずか4安打と打線が振るわず、1―2で競り負けて敗退した。第3戦終了後、球団は筒香がポスティングシステムを申請しメジャー移籍することを発表した。

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2022年10月11日のニュース