広島・菊池涼&会沢「一線は引かないといけない」新井新監督の野球観体現してチームけん引を約束

[ 2022年10月11日 05:00 ]

新井新監督について語った会沢(左)と菊地涼
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 広島の秋季練習が10日、マツダスタジアムでスタートした。チーム本隊とは別メニューで練習した会沢翼捕手(34)と菊池涼介内野手(32)は、新監督に決まった新井貴浩氏(45=本紙評論家)の考えをくみ取り、チームをけん引する決意を示した。現役時代から同氏を慕う2人だからこそ果たせる役割を担い、チームの一致団結に貢献する。

 会沢と菊池涼は、ナインの中で新井新監督の野球観を最もよく知る2人と言えるだろう。その2人が図らずも同じ言葉を口にした。「一線は引かないといけない」。これまでの「新井さん」との関係性にはひと区切りをつけ、「新井監督」のために尽力する覚悟だ。

 会沢はグラウンド上だけでなく、会食なども通して新井氏の野球観に多く触れてきた。

 「僕とかは、新井さんがどういう人か分かっている。ある程度、こういう野球をやっていくのだろうというのは分かるけど、それを会見で話していただいたときにビジョンなどが見えてくると思う」

 いまも同氏から伝えられた言葉を忘れていない。「苦しいときこそ人間の本性が出る。苦しいときは周りを見なさい」。同氏は40歳になってもベンチで声を張り上げるなど、チームのために動き続ける選手だった。加えて、選手の自己中心的な行動は断じて許さない厳しいリーダーでもあった。「優しく見えるけど、厳しいときは本当に厳しい方。監督になれば、選手にも厳しくしないといけないときが絶対あると思う」。監督の考えを理解する一人として、チームの助けになれることがあると見据えている。

 菊池涼もチームをけん引しようとする思いは同じだ。

 「仲良しだけではダメ。僕ら(年齢が)上の人間が引っ張っていかないといけない。会話の中にキーワードがあると思う。そこから伝わったものを僕たちが率先してやりたい」

 同氏とは今季中も何度か連絡を取り、チームの現状などを話し合ってきた。「しっかり会話はできるはずなので、その内容を感じて動ければいいと思う」。現役時代に築いた信頼関係は、風通しのいいチームづくりにも生かされるに違いない。

 チームは、新井氏が引退した18年を最後にリーグ優勝から遠ざかっている。会沢が当時の熱狂を思い起こす。「優勝した喜びは忘れられない。そのために、どうしていくかが大事になる」。新監督の献身的な姿を間近で見てきた選手たちが、チームのために汗を流そうとしている。(河合 洋介)

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2022年10月11日のニュース