佐伯鶴城の大型スラッガー古川雄大 夢は球界最強 20日運命のドラフト 三拍子そろった逸材

[ 2022年10月11日 06:00 ]

12球団から調査書が届いた古川
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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が20日に行われる。九州、山口勢のプロ志望届提出者では佐伯鶴城(大分)の古川雄大外野手(3年)に注目。50メートル5秒9の脚力など三拍子そろった選手として夏の大分大会4強入りに貢献。NPB12球団から調査書が届いた。あこがれのソフトバンク・柳田のような夢を与えるプロ野球選手を目指す。(杉浦 友樹)

 運命の瞬間が近づいてきた。1メートル86、90キロとスケール感たっぷりの佐伯鶴城・古川の元にはNPB12球団から調査書が届いた。「こんなに僕が頂いていいのかな、という感じです。ありがたいです」と気を引き締めている。

 日本人の父とフィリピン人の母のもとに生まれたハーフ。小3から野球を始め、昭和中時代は硬式の佐伯ボーイズに所属しつつ、学校の陸上部にも在籍。3年時には100メートル走で11秒4をマーク。4×100メートルのリレーメンバーとして全国大会に出場した。「今の脚力は陸上部の3年間があったからこそだと思います」と50メートル5秒9の俊足の礎ができた。

 多くの学校から誘いを受けたが、「県立高校で目立ってプロに注目された方がいいかな」と地元の佐伯鶴城へ進学。1年秋から4番を打つなどクリーンアップを任された。今春からは大分商時代に西武の源田、広島の森下らを指導した渡辺正雄監督が就任。「野球観が変わりました」と言う。これまでは攻守両面で大ざっぱなところがあったが、打撃では「コンタクトを良くして出塁率を上げる。自分の持っている足を生かすこと」をテーマにした。守備では「送球の安定性、1歩目の動き、周りへの声掛け」を意識するようになったことでグラウンドでのプレースタイルが大きく成長。夏の大分大会4強入りに貢献した。

 憧れの選手にはソフトバンクの柳田の名を挙げた。「フルスイングするところと、明るい雰囲気が好きです」と中学時代から熱い視線を送っている。柳田は“球界最強”の打者と評されることが多い。「いつか“球界最強の古川”に替えられるように、そういう選手になりたいですね」と目をキラキラさせながら言った。

 夏の大分大会後からプロ入りを見据えて木製バットで打撃練習をしている。「自分がいいと思うまでは振っています。最初より感覚は良くなった」と手応えもある。柳田らプロ野球選手から「夢を与えてもらった」とし、「自分がプロに行って活躍して、小学生や中学生に“古川選手みたいになりたい!”と夢を与えられる選手になりたいと思っています」と目を輝かせた。

 ◇古川 雄大(ふるかわ・ゆうだい)2004年(平16)5月25日生まれ、大分県佐伯市出身の18歳。小3で野球を始める。高校では1年秋からベンチ入り。遠投は110メートル。高校通算本塁打は21本。投手としては最速145キロ。1メートル86、90キロ。右投げ右打ち。


 ○…九州学院(熊本)の村上慶太内野手も吉報を待つ。兄のセ・リーグ今季打撃3冠王のヤクルト・宗隆から「可能性があるならば挑戦しろ」と背中を押され、プロ志望届提出に至った。1メートル80、100キロの左打者でスケール感は十分。今夏は4番としてチームを引っ張り、熊本大会優勝。甲子園では8強入りに貢献した。栃木国体では2日、聖光学院戦で逆方向に本塁打を放った。「自分のプレーで村上宗隆を“村上慶太の兄”と言わせるように頑張ろうと思います」と目標は大きい。

 ○…大学勢の注目は沖縄大の仲地礼亜投手だ。最速151キロの直球だけでなく、スライダー、カットボール、カーブなど変化球も高いレベル。昨年の全日本大学野球選手権では初戦で8回1失点と好投して注目を集めた。沖縄県内の大学からドラフトで指名されれば、史上初の快挙だ。九産大の渡辺翔太投手はリーグ戦で通算20勝を挙げた右の本格派。こちらも多彩な変化球で打者を翻弄(ほんろう)する。

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