一関学院撃破の鍵 花巻東に「斎藤響介2世」 阿部颯太の成長に佐々木監督「存在は非常に大きい」

[ 2022年9月20日 18:41 ]

秋季高校野球岩手県大会2回戦   花巻東13―0宮古商工 ( 2022年9月20日    岩手県営 )

最速142キロの直球を武器にする阿部(撮影・柳内 遼平)
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 今春選抜に出場した花巻東(岩手)が19日、秋季県大会初戦の2回戦に臨み、宮古商工に13―0で5回コールド勝ちした。5回2死から登板した最速142キロ右腕・阿部颯太(2年)は難なく最後の打者を右飛に仕留めた。あす21日の次戦は今夏の甲子園に出場した一関学院と激突する。

 打者1人でもポテンシャルは光り輝いた。4球すべて直球を投じて自己最速まで3キロに迫る139キロを2度計測。スムーズな体重移動で、しなる腕から繰り出された直球は球速以上の威力を感じさせた。1メートル75、73キロの右腕は「チーム全員で戦おうと思っている。勝ち抜こうと思って投げました。もう少し低めにコントロールしたかった」と振り返った。

 ずっと背中を追い続けてきた先輩がいる。今夏の岩手大会準決勝で花巻東は盛岡中央に敗れた。2季連続の甲子園出場の夢を破ったのは小、中学校で1学年先輩だった盛岡中央のエース右腕・斎藤響介(3年)。ベンチ入りを果たせず、一塁側の内野席で見守った阿部は「悔しかった。やっぱり一番は気持ちだと思いました」と斎藤の熱投を目に焼き付けた。

 新チームとなり、チーム内の最高学年となった阿部は「日々の練習から向上心を持って誰にも負けない」と強い気持ちを胸に猛練習に励んだ。直球の最速は従来の135キロから一気に7キロアップで142キロに達した。今秋の地区大会では初めてベンチ入りを果たし、栄光の背番号1を背負った。

 新戦力の出現に佐々木洋監督は「この夏は変化球投手や角度で抑える投手だったんですけど、本格派の阿部が出てきたことは非常に大きい。ボールも速くなっているので楽しみにしています」と期待を込めた。
 一関学院は甲子園で活躍した下手投げ右腕・小野涼介(2年)ら強力投手陣を擁し、失点は最小限に抑えることが勝利への鍵。「先輩」の姿を追う阿部が負ければ来春選抜への出場が絶望となる大一番に挑む。(柳内 遼平)
 
 ◇阿部 颯太(あべ・そうた)2005年(平17)10月29日生まれ、岩手県滝沢市出身の16歳。滝沢小2年から竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中では盛岡北シニアに所属。花巻東では2年秋からベンチ入り。50メートル走6秒3。遠投90メートル。1メートル75、73キロ。右投げ右打ち。

◇斎藤 響介(さいとう・きょうすけ)2004年(平16)11月18日生まれ、岩手県滝沢市出身の17歳。小3から竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中では軟式野球部に所属。盛岡中央では1年夏からベンチ入りし、2年夏から背番号1。憧れの選手はオリックス・山本。50メートル走6秒5。遠投105メートル。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

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