トレーナーが明かす阪神・糸井の本当の顔 勉強家、ストイック、気遣いの人 「本当に尊敬している」

[ 2022年9月20日 09:00 ]

練習を終え、トレーナーと状態を確認する糸井嘉男

 阪神・糸井嘉男外野手(41)は、21日の広島戦(甲子園)で“引退試合”を迎える。17年の猛虎加入後は度重なる故障に見舞われ、苦労を強いられた超人をサポートしてきた藤本将直トレーナー(41)が本紙に秘話を明かした。

 苦しい時期を最も近くで支えてきた藤本トレーナーは超人のスゴさを明かした。

 「ストイックで自分がやるべきことも分かっている。練習量が多くて、休んだ方がいいんじゃないかなというときも、自分で必要だと思ったらさらにやるし、妥協がない」

 17年7月には右脇腹筋挫傷を負い、18年7月には右腓骨(ひこつ)を骨折。19年10月にも左足首を手術するなど、故障の度にそばでサポートしてきた。

 「落ち込むことはあっても、決して弱音は言わなかった。逆に自分でけがについて調べたり、勉強熱心なところがあった。体の構造や筋肉のことをよく調べていて、けがの箇所はどういう筋肉が関係していて、どういう作用があるかとか。“こういう治療法がある”とか、本人の考えを聞きながら、どこまでやれるか見ながら、やってきた」

 専門家から見ても、驚くほど、知識が備わっていた。再三の故障から復帰できたのも、勉強熱心な姿勢を含めた向上心があったからだという。

 「気を使っているところもあって、僕が別の選手のトレーニングをしているときには何も声をかけずに自分でバイクをこいだり、周りを見て、行動していた」

 複数の選手のリハビリを担当していることもあり、常に付きっきりでのサポートは不可能だった。それでも状況を理解したうえで、黙々とリハビリに励んでいたという。「長い間、お疲れさまですとしか言いようがない。ここまでやってきて、同世代として本当に尊敬している」。超人の不屈の精神を称え、ねぎらいの言葉を送った。 (長谷川 凡記)

《矢野監督は起用法明言せず》
 矢野監督は21日の広島戦での糸井の起用法について「それはまだ先のことやから。嘉男(糸井)も分かってくれていると思う」と明言を避けた。広島は同率3位で並ぶCS進出争いのライバルだけに手に汗を握るガチンコ勝負となることは確実。代打起用ならタイミングが難しくなる。どんな場面で超人に声がかかるのか。注目だ。

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2022年9月20日のニュース