ヤンキース・ジャッジ58、59号&4安打!三冠王見えた打率・316でトップに6毛差

[ 2022年9月20日 02:30 ]

インターリーグ   ヤンキース12―8ブルワーズ ( 2022年9月18日    ミルウォーキー )

<ブルワーズ・ヤンキース>58号本塁打を放ったヤンキース・ジャッジ(AP)
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 至高のデッドヒートは加速するばかりだ。ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)は18日(日本時間19日)、ブルワーズ戦で58、59号の2本塁打を放ち12―8の快勝に貢献。ロジャー・マリスのア・リーグ記録61本にあと2本と迫った。4安打4打点で打率・3161に上げ、リーグトップと6毛差に肉薄し3冠王にも大きく前進。両者ともに残り16試合。エンゼルス・大谷翔平投手(28)とのMVP争いは、し烈を極めている。

 歴史的な一騎打ちは、終幕へ向けますますヒートアップした。敵地でも鳴りやまない「MVP」コールの中でジャッジがいった。2度もだ。3点を追う3回1死から右中間席へ58号ソロ。9―4の7回は特大の59号ソロを左翼席上段へ。投手のペルドモは打たれた瞬間、お手上げとばかりに両手を頭上に掲げて悔しがった。

 これでシーズン65発ペース。61年にロジャー・マリス(ヤンキース)が残したア・リーグ記録61本に、いよいよあと2本に迫った。この日はそれにとどまらず、2点二塁打を含む4安打4打点。打率・3161に上げた。リーグトップのツインズ・アラエスの・3167とは6毛差に肉薄。球団では56年ミッキー・マントル以来、66年ぶりとなる3冠王にも大きく前進した。

 「チームに貢献することだけに集中している。周囲の声はなるべく聞かないようにして、僕にとって大事なのは同僚やコーチの意見だけ」。SNSなどの雑音は極力遮断しているというジャッジだが、大谷とのMVP争いは全米野球ファンを連日議論の渦に巻き込んでいる。両者ともに残り16試合。ジャッジがマリス超えと3冠王をにらめば、大谷には残り3試合の登板機会がある。現在リーグ4位の34本塁打を、3試合に一発のペースで積めれば2年連続40号に到達。3登板とも7イニングを無失点と究極の結果を望めば、16勝で防御率2・12という数字も理論上は追える。至高のデッドヒートの終着地は誰にも見通せない。

 投打二刀流という前例のない輝きが、議論をより難解にさせる。ヤ軍の一塁手リゾは「大谷とのMVP争いが過熱しているのは知っているが、ジャッジだ。これは彼のシーズンだ」とプッシュする一方で、アーロン・ブーン監督は「翔平のように投打であれだけレベルの高い選手なんて見たことない。比較は難しい」と素直な本音ものぞかせた。二刀流で歴史を切り開いた大谷の存在が、史上最もし烈なMVP争いという新たな歴史もつくろうとしている。

 《最多タイ11度目マルチ弾》ジャッジのマルチ本塁打は今季11度目。38年ハンク・グリーンバーグ(タイガース)と98年サミー・ソーサ(カブス)のメジャー最多記録に並んだ。日本プロ野球でもシーズンのマルチ本塁打は11度が長く最多記録だったが、ヤクルト・村上が54、55号で今季12度目として新記録を樹立した。

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2022年9月20日のニュース