鈴木啓示氏 阪神・西純が背負わなければならない“四球と本塁打”の教訓

[ 2022年9月5日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神0―2巨人 ( 2022年9月4日    甲子園 )

<神・巨>1球に泣いた阪神先発・西純(撮影・北條 貴史)
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 【鈴木啓示 視点】もったいない1球だ。0―0の投手戦。流れの中で一番用心しなければいけないのは本塁打。さらに回の先頭打者を出さないこと。プロ野球の歴史を振り返っても、1球に泣いた試合は数多い。好投の阪神・西純は7回、死角にはまった。

 先頭の丸にストレートの四球で出塁を許すと、原監督は代走・増田大を起用し、精神的に揺さぶりをかけた。中田への初球フォークは真ん中より内側。一番甘いところに入った。左翼への2ラン。ここまで1安打無失点の力投も、1球でフイにした。悔いが残る1球になった。

 4回の第2打席では中田を空振り三振に取っていた。その配球も初球フォークでストライクを取り、2球、3球目と直球で勝負したもの。一発狙いの中田には「初球からフォークもある」の意識はあったはず。試合が終盤に入っただけに、一発だけを警戒しないといけない場面。内角に入る変化球はあまりにもリスクが高かった。

 今季最後の甲子園での巨人戦。緊張感の中で何とか試合をつくった。だが、マウンドにいる以上、最後まで緩んではいけない。援護がなかったことも言い訳にはできない。四球と本塁打。これは投手が自分で背負わないといけない。この教訓をどう生かすか。本人次第だ。(スポニチ本紙評論家)

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2022年9月5日のニュース