阪神・中野 「TORACO」のハートをズキュン! 起死回生の同点2点タイムリー

[ 2022年6月27日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6ー5中日 ( 2022年6月26日    甲子園 )

<神・中>8回、中野は同点の2点適時打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 160キロに迫る剛球に阪神・中野のバットは折られた。グシャッという鈍い音をたてて完全に打ち取られた当たりだったが、それでもコロコロと力のないゴロが三遊間を抜けていったのは、打ちたい、勝ちたいの気持ちの強さだろう。

 「初球で空振りをしてしまって、ちょっと前で打とうと思ったんですけど、思ったよりボールが見えていなくて“詰まってもいいや”でなんとか気持ちで持っていきました」

 3―5の8回、2死二、三塁で初球159キロを空振り、2球目158キロを見送り。中日のセットアッパー、ロドリゲスが力でねじ伏せようと3連投した内角速球は、決して一人だけの力ではじき返したわけではない。前を打つ代打の糸井が10球も粘ったのを次打者席から見て、テンションが上がった。「糸井さんの打席を見て、なんとしてでもの気持ちが伝わってきて、自分が還そうと思いました」

 10回2死一、二塁では一ゴロに倒れ、「ホントならあそこで僕が打たないと…。最後は“熊谷さんお願いします”との気持ちでサヨナラ打を見ていました」とチームメートを助け、そして助けられてもぎ取った1勝が心地よい。

 初回に左前打、4回にも一塁線を破る二塁打を放ち、甲子園では今季初の3安打をマーク。2盗塁も決めた。これで打順が1番に入った22日の広島戦から5戦連続安打とし、同時にチームも19年9月1日から6日まで以来となる5戦連続2桁安打。「1番・中野」が打線をけん引しているのははっきりと数字にも表れている。

 28日が26歳の誕生日。「25歳をいい形で終われたので、火曜日から始まる26歳もいいスタートを切りたいです」。若くてかわいいマスクのプロ2年生。イケメンの熊谷と並んだお立ち台では、主に女性ファンが大騒ぎだった。(畑野 理之)

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2022年6月27日のニュース