田淵幸一氏 柔軟な体でバットとボール接する時間長く保つ山川 「投高打低」関係なし

[ 2022年6月27日 05:30 ]

パ・リーグ   西武2―0楽天 ( 2022年6月26日    楽天生命 )

<楽・西>4回、通算200本塁打となる先制ソロを放つ山川(撮影・尾崎 有希)
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 【田淵幸一 視点】山川はホームランバッターには珍しく体が柔らかい。両肘が伸びた状態でボールを捉え、そこからふんぞり返るように上体を捕手側に戻す。一塁側から見ると体をくの字にして、バットとボールが接している時間を長く保つ。いわゆる「ブリングバック打法」で打球を遠くに飛ばすのである。

 今季のパ・リーグは極端な「投高打低」。ボールが飛ばないと言われている。それが事実だとしても、飛ばないボールの影響を受けるのは中距離ヒッター。体の柔軟性に加えて思い切りのいいスイングで破格の飛距離を持つ真のホームランバッターには関係ない。

 私の場合はどちらかというとローボールヒッターだった。ベルトから膝の間のボールを狙っていたが、山川は高めのボール球もスタンドに運べる。外角の球をライトへ叩き込めるのも強みだ。現在、パ・リーグの本拠地球場は西武のベルーナドームなど6球団中、4球団がドーム球場。風に運んでもらうということは少ないが、押し戻されることも少ないのはうらやましい。

 今後も最速ペースで打ちまくるには、とにかくケガをしないことだ。日々のケア、自己管理をしっかりして、三振を恐れないフルスイングを続けてもらいたい。(スポニチ本紙評論家)

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2022年6月27日のニュース