虎のイケメン・熊谷 初サヨナラ打 「TORACO DAY」に矢野監督「一番顔のいいタカヒロが決めた」

[ 2022年6月27日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6ー5中日 ( 2022年6月26日    甲子園 )

<神・中>11回 サヨナラ適時打を放った熊谷(中央)はナインから祝福される(撮影・成瀬 徹)
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 阪神・熊谷敬宥内野手(26)が26日の中日戦で、プロ5年目で自身初となるサヨナラヒットを放った。延長11回2死二、三塁から、中越え適時打。女性ファン応援イベントの「TORACO DAY」として開催された一戦で、猛虎屈指のイケメンが輝きを放った。チームは今季4度目の同一カード3連勝。借金を4まで減らし、反攻への態勢を整えた。

 緊張気味だった表情が、一気に緩んだ。甲子園では初のお立ち台。「最高で~す!」。甘いマスクの熊谷がマイクに渋い声を乗せた。このギャップがたまらない。たったそれだけで、駆け付けた女性ファンのハートをわしづかみにした。

 「本当に無我夢中でいったんで、何が起こったか覚えていない。それくらい集中して無我夢中になってランナーを還そうと思っていたので良かった」

 女性ファン向けイベント「TORACO DAY」に、ふさわしいヒーローだった。5―5で迎えた延長11回2死二、三塁。1球ごとに深呼吸を重ね、集中力を極限まで高めた。カウント1―2と追い込まれた4球目。山本が投じた直球にバットを合わせると、ライナー性の打球が右中間で弾んだ。歓喜のサヨナラ打に、チームメートが駆け付ける。ウオーターシャワーを頭から浴びせられると、最後は矢野監督と熱い抱擁を交わした。

 「今日はトラコデー。一番顔のいいタカヒロ(熊谷)が決めてくれたというのは、ファンの皆さんも喜んでくれていると思います」

 2軍監督時代から手塩にかけてきた指揮官も、感激した。5年目。プロでは初めてだが、実は「甲子園でのサヨナラ打」は2回目となる。仙台育英3年だった13年夏。1回戦の浦和学院戦で、同点の9回2死一塁から左越え適時二塁打を放っていた=写真。「1番遊撃」として活躍していた高校時代とでは立場は違う。主に代走&守備固めとして貢献するスーパーサブ。それでも、レギュラー陣をしのぐ勢いで、多くの女性ファンが「熊谷敬宥」のタオルを揺らしていた。

 持っている男だ。6月11日のオリックス戦では、同点の延長11回に代走として登場。一塁走者として盗塁を仕掛けると、二塁ベース付近でヘルメットに送球が当たった。ボールが外野を転々とする間に生還。決勝のホームを踏んでいた。

 「僕はなかなか打席に立つ数は少ないですけど、その中でもアピールをしていかないといけない。レギュラーにはたどり着けないので少ないチャンスでアピールしていきたい」

 チームは今季4度目の同一カード3連勝。イケメンが放つV撃はどこまでも味わい深かった。(石崎 祥平)

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2022年6月27日のニュース