西武・栗山 今季1号は千金代打サヨナラ弾!「信じられない」38歳8カ月が球団最年長記録更新

[ 2022年5月30日 05:30 ]

交流戦   西武3―2DeNA ( 2022年5月29日    ベルーナD )

<西・D>9回、栗山(手前)のサヨナラ弾に拍手喝采のファンたち(撮影・木村 揚輔)
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 「神かよ!」。劇弾の瞬間、歓喜と畏怖が込められたファンの言葉がネット上で躍った。西武・栗山が2―2の9回、先頭で代打で登場。2ストライクから、3球目の低めフォークにタイミングを外されながら、滑らかなスイングでボールをバットに乗せた。今季1号が右翼へのサヨナラ本塁打。サヨナラ弾は自身3本目、代打では17年8月17日楽天戦以来2本目だ。

 「本当に信じられない気持ち。雰囲気にのまれず、自分のスイングができたらいいな、と。(ナインの祝福は)気持ち良かったです」
 西日が差すベルーナドームのお立ち台。長く打率1割台と苦しんでいた38歳は、前日の3安打に続く一打に「お待たせしました!」と復調宣言の声を張り上げた。

 昨季通算2000安打を達成して迎えた今季。開幕前に「あとは、自分がどれだけやれるのか。より前向きな気持ち」と己の限界に挑戦する覚悟を示した。打撃も「シルク打法」に変えた。上、下半身の連動性を重視する、シルクのような滑らかなスイングで、劇弾も「バットの“抜け”が良かった」とした。

 38歳8カ月でのサヨナラ弾は球団最年長記録。開幕から不振が続いた4月には「ベストな状態でいけるように」とナイター前に志願して2軍戦に出場するなどもがき苦しんだが、この一発でチームをヤクルト、ソフトバンクと並ぶ交流戦首位タイに押し上げた。歴代2位の交流戦通算317安打とし、最多の鳥谷敬にあと16安打。交流戦歴代最多79本塁打の盟友「おかわり」こと中村と、それぞれトップに立つ可能性も見えてきた。

 球団史に残る代打サヨナラ弾だったが「代打の神様」にはまだ「なるつもりはない」と言い切る。「スタメンでも代打でも、どんな状況でも自分のスイングができるよう準備する」。それが栗山巧という男の極意だ。(鈴木 勝巳)

 ≪フェルナンデスは38歳1カ月≫栗山(西)が代打サヨナラ本塁打。自身サヨナラ弾は通算3本目で、代打サヨナラは17年8月17日楽天戦に次いで2本目。1人で2本以上の代打サヨナラ本塁打は若松勉(ヤ)、高井保弘(阪急)の3本を最多にプロ野球12人目。西武では栗山が初めてだ。現在38歳8カ月だが、チームの年長サヨナラ弾としては00年8月23日ダイエー戦のフェルナンデス(38歳1カ月)を22年ぶりに更新する最年長記録になった。なお、犠飛、四死球、内野ゴロなどを含む通算サヨナラ打は9度目。チームでは清原和博の11度に次ぎ、大下弘、豊田泰光の各8度を抜き単独2位に浮上した。

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2022年5月30日のニュース