ポスト誠也期待のルーキー 3月に照準「そこに状態を上げるイメージ」 広島・中村健インタビュー

[ 2022年2月19日 05:30 ]

広島・中村健
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 広島ドラフト3位の中村健人外野手(24=トヨタ自動車)が18日、スポニチ本紙の単独インタビューに応じた。奮闘中の春季キャンプでは紅白戦、対外試合でチーム1号を放つなど実戦に入って猛アピール。開幕1軍から外野の定位置獲りへ、ポスト誠也の期待を担うスラッガーは、一線級の投手が調子を上げる3月に照準を定めていると明かした。(構成・江尾 卓也)

 ――いいアピールができているのでは。
 「結果が出ているのは良いことですし、初球を振れていることもいいと思いますが、まだまだです。試行錯誤中というか、イメージ通りに体が動いていない時があるので」

 ――結果よりも自分を高めるための段階を踏んでいる感じか。
 「その通りです。結果を求めるというよりも技術を磨き、自分の価値を高めたいという気持ちが強いです。それと、実戦になれば自分らしさを出す。中村健人はこういう選手だ…と分かってもらえるように努めれば、結果につながると信じてやっている感じです」

 ――紅白戦、対外試合(16日のDeNA戦)でチーム1号。一般的には持っている。
 「たまたまです。どちらかといえば持っていない星に生まれたと思っています。勝負弱かったし誕生日の試合で好機に打席が回っても打てなかった。そう言っていただけるのは、いい練習ができているということかな…と」

 ――実戦派だと。
 「いやそんな自負はないです。グラウンドで練習していることしか出せない。打席で集中したらうまく打てるとは一切、思っていないです(苦笑い)」

 ――打撃コーチはスイングの際に左肩が入り過ぎ、右足に体重が残ると指摘。修正に取り組んできました。
 「課題は、プロの手元で速い真っすぐをいかに受けず(差し込まれず)に打つか。それが僕の中では苦手でした。悪い時は右飛とかファウルになる。それを無くし、なおかつ強いスイングができるように、ボールの上からしっかり叩くということをやっています」

 ――カギはプロの150キロをいかに打つか。
 「大学で(ドラフトの)指名漏れを経験した時から意識しています。(同学年の)森下は155キロをバンバン出していたけど、それを本塁打にする自信はなかった。なので、指名漏れもスンナリ受け入れられ、速い真っすぐを捉える何かをつかんでやろうと思って、社会人の2年間を過ごしてきました。今はいい感じで初球のストレートを叩くことができていますし、2年間で培ったことがベースになり、段階を上げられていると思います」

 ――3月に入ると一線級は調子を上げる。
 「バロメーターじゃないですけど、そこに明確な目標を設定し、自分の状態を上げるイメージを持って今は取り組んでいます」

 ――ポスト誠也の期待を抱かれています。
 「足もとにも及んでいません。6番だろうが、7番だろうが、1球に食らいついて勝利に貢献できれば何でもいい。バットがグシャッと折れた僕の打球が一塁後方にポテンと落ち、それが2点適時打になって勝ちました…みたいな。そういうどん欲な姿で貢献したいという気持ちです。まだ先の先の先の話かなと思います(苦笑い)」

 ――1年目の目標を。
 「1年間、1軍でプレーし続けることですね。自分を高め、必要なことを見極め、役割を全うする。チャレンジとトライをミックスして、それらを継続したい。その先に、外野の定位置が見えてくるのかな…と思います」

 ◇中村 健人(なかむら・けんと)1997年(平9)5月21日生まれ、愛知県名古屋市出身の24歳。中京大中京では3年夏に甲子園出場。慶大では1年春からリーグ戦出場し3年秋に外野手のベストナイン。トヨタ自動車では21年の日本選手権、都市対抗に出場。1メートル83、90キロ。右投げ右打ち。

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