帝京・前田三夫名誉監督 “飛ばない”金属バット導入で指導者も選手も体の使い方見直すいい転機

[ 2022年2月19日 05:40 ]

帝京の監督として甲子園通算51勝を挙げ、春1回、夏2回の優勝へと導いた前田三夫名誉監督
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 日本高野連の新基準金属バット導入決定について、72~21年に監督として帝京を率いた前田三夫名誉監督(72)に見解を聞いた。

 最近の試合は、一発や長打で決まる試合が多かった。低反発の程度がどのくらいか分からないが、盗塁やバント、投手の制球重視など、そういうものに取り組む好機。私は凄く賛成。また面白くなって、奥の深い野球が見られると思う。

 監督を始めた72年はまだ木製。私自身も現役時代は木製を使っていて金属は慣れず、ノックバットはずっと木製を使っていた。就任2年目から金属になり、当時は質が伴わなくてへこんだり、簡単に割れたりした。各社が改良して、80年代にはかなり飛ぶようになった。01年の現行基準導入の時は、それ以前から900グラム以上のバットを使わせていたので、苦労した覚えはない。選手の将来も考えて、80年代ごろからは、冬の練習では木製バットを使った。

 就任当初からフォームや体の使い方を細かく指導したが、なかなか技術論が分かる選手はいなかった。それがちょっと残念だった。指導者も、もう一度、勉強しないといけない。いい転機。“よくこれで打てたな”という選手も多かったが、より下半身を使う打ち方ができるようにならないといけないし、長い目で見れば野球界にとってはプラスだと思う。(帝京名誉監督)

 ▼履正社・岡田龍生監督 新基準の金属バットの実打撃試験は、昨年9月に関大北陽のグラウンドで行われました。(関大北陽監督の)辻本先生によると、やはり飛ばないというふうに聞きました。慣れるまではディフェンス重視の野球やロースコアの試合が一時的に増えるかもしれません。当然、バントやスクイズなど小技を使う機会も増えるでしょう。芯は細くなりますが、芯で捉えれば飛ぶとも聞きます。履正社の場合は普段から木のバットで練習しています。普段、金属しか使っていない学校は感覚の違いやギャップを感じることが多いのではないかと思います。

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