DeNA30代コンビの「ナイス・アウト」に進歩の兆し

[ 2022年2月19日 19:13 ]

<練習試合 中日・DeNA>4回1死二、三塁、倉本はタイムリーとなるニゴロを放つ (撮影・森沢裕)
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 「オーケー、これが一番いい形っ!」。声援禁止の沖縄・北谷に、DeNAナインの言葉が響いた。

 練習試合・中日戦。1―2で敗れたが、試合で示した「1点の奪い方」に、チームが目指す今季の戦い方を垣間見た。

 0―2の4回。無死一、二塁でプロ15年目の32歳、伊藤光捕手が投犠打。キャンプ数試合目の練習試合で「犠打」も珍しいが、1死二、三塁から同8年目の31歳、倉本寿彦内野手の二ゴロで1点が入り盛り上がるDeNAベンチの光景もまた、珍しかった。

 昨季は6年ぶり最下位も3割打者は4人。「強力打線」はリーグでも警戒されていた。だが一方で犠打、犠飛、進塁打を絡めて得点する光景は少なかった。地道な積み重ねができず、「敗れて当然」の試合を数多くつくり出していた。

 今キャンプの攻撃改革は、石井野手総合コーチを中心に徹底されている。「安打が出なくても1点を奪う」ための練習。公式戦で犠打の記録がない宮崎敏郎内野手さえも、バントに取り組む場面があった。

 三浦監督は倉本の打席を「最低限の仕事をした。あのチーム打撃は求められるところ」と振り返った。倉本も「セカンド、ショートが下がっていたので、最低限1点は取りたいと思って打席に入った。自分のアウトの取り方が大事。当たり前のことだけど難しい。この1カ月取り組んできて染みついてきた」と明かした。

 オースティン、ソト、佐野、宮崎、牧が打線に加われば、攻撃の形は異なってくる。だがこの時期に「30代コンビ」が「ナイス・アウト」を必死に見せたことも攻撃の形。

 DeNAが「横浜反撃」を遂げたとき、「2人計63歳で奪った“北谷の1点”がその始まりの一歩だった」と振り返るときが、訪れるかもしれない。 (大木 穂高)

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