【阪神・青柳-亀山氏対談(上)】15勝へハイボール革命「高低、緩急は引き出しとして持っておかないと」

[ 2022年2月19日 05:30 ]

亀山氏(左)と対談する青柳 (撮影・平嶋 理子) 
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 昨季、最多勝、勝率第1位の2冠に輝いた阪神・青柳晃洋投手(28)が、スポニチ本紙評論家・亀山つとむ氏(52)との対談で22年シーズンに向かう決意を赤裸々に語った。低めの内外にボールを投げ分けて初タイトルを獲得した右腕は、あえて過去の配球を“破壊”して、高低、特に高めを使った新スタイルで7年目に挑むことを宣言。五輪での経験談や、独特のワンバウンド送球についてなど、大先輩に語り尽くした。(構成=長谷川 凡記)

 亀山(以下、敬称略) 昨シーズンは13勝。今年は注目された中でのキャンプインだけど、変わってきた部分はある?

 青柳 キャンプの初日に万全じゃなくていいというのが、今年のキャンプだったので。毎年“1発目の紅白戦に投げるぞ”というところで、でき上がった状態でキャンプインするんですけど。今年はそこに合わせないで、開幕を考えてやっていいということだった。徐々にできるのは今年初めてですけど、楽な部分はありますね。

 亀山 青柳君のキャラなのか、今まではイジられている部分もあったと思うけど、今年は期待値というか、周りの見方も変わってきていると思う。

 青柳 僕自身も開幕で投げたいとか、15勝したいとか、ずっと言っているので。その分、期待されるのはもちろんですけど、去年、結果を出したことで、キャラというより、期待という部分で“開幕でいってほしい”とか、そういう声をいただくので。すごくありがたいことですけど、例年よりプレッシャーはありますね。

 亀山 13勝した、そのままの形で調整してもいいかなと思うけど、高めの速い球、高低や奥行き、幅をつくろうというのは打者目線で感じる。投球の幅を広げる意識?

 青柳 左右(のコース)でしか勝負していなかったので。右打者だったらツーシームとスライダー。左打者も外からのスライダーやツーシームという2、3球種ぐらいで完結していたんですけど、1年間、戦っていく中でも通用しないところが出てくる。もう3年間(ローテーションで)やらせてもらって、同じ相手とずっとやっていく中で、僕たちも対策しますけど、向こうもしてくる。いつも通り投げて抑えられる試合もあれば、それを狙われて連打されたりもある。いつも抑えていた打者に打たれだしたときに“どうしよう”とならないための準備として、高低、緩急というのは僕の中の引き出しとしては持っておかなくてはいけないと思います。

 (続けて)左右だけで13勝させてもらったと言ったら言い方が悪いですけど、それだけだったら、今年は10勝もできないと思っているので。去年よりも実力アップはもちろん、その中で今持っている球をどう引き出すか。技術面も練習していますし、捕手と話し合いながら、実戦でどういうタイミング、どういう球が生きてくる…というのを覚えながら、投げていかなきゃいけないなと。

 亀山 高めの真っすぐはライズ系?シュート系?

 青柳 高めはライズ系ですね。

 亀山 対角に球を投げている感じかな。

 青柳 そうですね。シンカーやツーシームも低めに動かすゴロアウトが僕の持ち味なんですけど、(ライズ系を入れることで)フライアウトが増えてもいい。三振を増やすイメージで、高めというのは使い始めましたね。

 亀山 高めは見せるだけではなくて、勝負できるようにと。

 青柳 そこで結果が出るようにと考えています。

 ※対談(下)に続く。

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