ソフトBに岩鬼がいた!!ドラ4・野村勇が“悪球打ち”でアピール「僕、ボール球でも当てられます」

[ 2022年1月19日 05:30 ]

走守だけでなく、打撃でもアピールに成功したソフトバンクのドラ4・野村勇(撮影・中村 達也)
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 鷹のイサミもスイング豪快!ソフトバンクのドラフト4位・野村勇内野手(25=JR西日本)が18日、福岡県筑後市のファーム施設での新人合同自主トレで非凡なパンチ力を見せた。フリー打撃で最多5本の柵越えをマーク。野球漫画「ドカベン」の岩鬼正美をほうふつさせる“悪球打ち”も見せ、ドラフト2位・正木智也外野手(22=慶大)の3本を上回りアピールした。

 走れば50メートル5秒8の俊足、守れば内野の全ポジションを守れる野村勇が、打撃で売り込んだ。打撃投手とマシンによる2カ所のフリー打撃で計72スイング中、柵越え5本。ドラフト2位の正木は58スイングで3本で、東京六大学で通算10本塁打のスラッガーを上回った。非凡なパンチ力に加えて光ったのが反応力だ。ボール球にも食らいついてアーチを描いた。

 「僕は結構ボール球も打つ。打てると思ったらボール球でも当てられます。試合でもいけると思ったら振っていました」

 内角高め、地面すれすれの内角低めのボール球もリストワークを生かして対処した。10日に亡くなった漫画家の水島新司さんの代表作「ドカベン」のキャラクター、岩鬼正美を思い浮かばせる“悪球打ち”。バットの真芯で捉えた乾いた音が球場に響いていた。

 25歳の野村勇が愛読する野球漫画は週刊少年マガジンで連載中の「ダイヤのA(エース)」。ドカベンを読んだことはないというが、水島さんと親交があった小久保2軍監督から「この世界、強烈なインパクトが一つでもある方がいい。秀でたものがある選手が強い」と激励を受け、プロで生きるには個性が大事だと学んだ。そして早速、どんなボール球でも素早い反応で打ち返す対応力でアピールしてみせた。

 葉っぱをくわえた岩鬼のような見た目のインパクトはないが、背番号は誰でも覚えやすい「99」。妻子持ちで実家では文鳥を飼育している愛鳥家だ。現在の目標は3・25開幕戦のキャラクターとして登場すること。「一つと言わず、トータルで売り込んでいきたいです」と笑顔で意欲を語った。(井上 満夫)

 ▽岩鬼正美 水島新司氏の人気野球漫画「ドカベン」の主要キャラクター。ど真ん中の球は打てないが、高めやワンバウンドなどのボール球は「絶好球!」と完璧にミートする。普通のストライクを悪球に変えるべく、強度の近視用眼鏡をかけるなど工夫を凝らした。明訓高校からダイエーに入団し、王貞治監督の指令で悪球打ちを克服。決めゼリフは「花は桜木、男は岩鬼」。

 ◇野村 勇(のむら・いさみ)1996年(平8)12月1日生まれ、兵庫県出身の25歳。垂水ファイターズで野球を始め、中学は神戸須磨クラブ所属。藤井学園寒川(香川)から拓大を経て、19年にNTT西日本に入社。昨年の都市対抗ではエイジェックとの1回戦でサヨナラ打を含む2安打と活躍。1メートル75、81キロ。右投げ右打ち。

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