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センバツ当確・明秀学園日立の副主将は女子マネジャー 宮城から越境した田中杏璃さん「一緒に戦いたい」

[ 2022年1月19日 21:00 ]

「試合で勝って観客席にあいさつする瞬間が好き」という田中マネジャー(右) (撮影・柳内 遼平)
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 昨秋の関東大会で初優勝した明秀学園日立(茨城)は今春のセンバツ出場が確実。田中杏璃マネジャー(2年)は同野球部初の女子で副主将を務める。小学時は外野手としてプレーし、中学では祖父と父が指導にあたる「宮城仙北ボーイズ」でマネジャーを経験。宮城から茨城に越境して追った甲子園出場の夢は間近に迫っている。

 記録員として公式戦にベンチ入りする田中さん。学生服を着てスコアブックを抱えているが、張り上げる声は選手にも負けない。「ディレードスチールもあるよ―!」「この投手はけん制上手いよ―!」。自らの野球経験とデータに基づいたアドバイスを届ける。村瀬賢太コーチは「本当に野球に詳しい。戦力の一人です」と働きぶりを称える。

 入学以来、故郷を離れて4人部屋の女子寮で暮らしている。中学まで過ごした宮城を離れた理由は金沢成奉監督との縁だ。祖父・伸次さん、父・伸明さんとのつながりで金沢監督を幼い時から知っていた。中学で進路を決める際には「監督さんの下で人間性を磨きたい」と明秀学園日立を志望した。

 従来、同野球部にマネジャーはいなかった。受験前には金沢監督にマネジャー志望の手紙を書き、同野球部でプレーしていた2学年上の兄・大誠さんに託した。熱意は伝わり、了承されたことを兄から伝え聞いた。入試も無事に合格して念願だった高校野球のマネジャー生活が始まった。
 選手たちはグラウンドの土を必ず手でならす。昨秋の関東大会で話題になった光景だ。グラウンドへの礼儀を「勝つための必要条件」とする指揮官の教え。「指導者と選手の橋渡し」を目指す田中マネジャーは選手たちの行動に目を光らせる。

 整理整頓や生活態度を細かく注意する。時には選手と言い合いにもなるが「学校や地域から応援される野球部でありたい。良くしていくためには仕方が無い」と妥協は許さない。グラウンド外でのリーダーシップが認められて昨秋から副主将に就任した。
 出場が当確しているセンバツでも記録員としてベンチ入りする予定だ。憧れの舞台に向け「みんなを支えるのではなく、一緒に戦っていきたいです」。熱き副主将が4年ぶりの聖地に挑む選手たちを鼓舞する。(柳内 遼平)

 ◇田中 杏璃(たなか・あんり)2004年(平16)生まれ、宮城県大崎市出身の17歳。小2から上野目ファイターズで野球を始め、主に外野手としてプレー。古川南中では宮城仙北ボーイズでマネジャーを務める。憧れの人は母・友紀さん。中堅手・佐藤光成、投手・高橋遼らは中学時代から同じチームに所属。右投げ右打ち。

 ▼最速140キロ右腕・岡部真之祐 (田中マネジャーの存在は)チーム一の頑張り屋さん。サポートしてくれてありがたい存在です。

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