広島・菊池涼 勝利呼んだ3打点 4回4試合ぶり11号に7回2点打「取れるところで取れてよかった」

[ 2021年9月3日 05:30 ]

セ・リーグ   広島11ー3DeNA ( 2021年9月2日    横浜 )

<D・広>4回1死、ソロ本塁打を放ちグータッチをかわす菊池涼 (撮影・白鳥 佳樹)
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 東京五輪の金メダリストが思い出の横浜で躍動した。広島は2日のDeNA戦に11―3と大勝し、連敗を2で止めた。菊池涼介内野手(31)が流れを引き寄せる値千金の3打点。4回に左翼席へ11号ソロを運ぶと、2点差に迫られた直後の7回には2点中前打で突き放した。6回3失点の九里亜蓮投手(30)が自己最多に並ぶ9勝目。チームは、またDeNAと同率5位で並んだ。 

 歓喜に沸いた東京五輪決勝から26日。思い出の横浜で菊池涼が躍動した。試合の流れを引き寄せる2安打3打点、さらには3四球の全5打席出塁。目立つことを好まない31歳は「(点が)取れるところで取れてよかった」と控えめに喜んだ。

 4試合ぶりの11号は2点優勢の4回1死で飛び出した。坂本の低めカットボールを左翼席へ。2点差に迫られた7回には勝負強さを発揮する。2死満塁で3番手・砂田のチェンジアップを中前に運んで2走者を還し、粘る相手の戦意をそいだ。

 「(11号は)走者がいなかったし、ナチュラルな状態で打席に入れた。それが良かったのかな。(7回は)走者をためた場面。点を取られた後に追加点が取れて良かった」

 いまだ記憶に鮮烈な盛夏の祭典。侍ジャパンは、野球が正式競技になって初の金メダルを獲得した。菊池涼も二塁手として貢献。それだけじゃない。チームの結束を高めるのにグラウンド外でも人知れず尽力していた。

 例えば、稲葉監督が49回目の誕生日を迎えた8月3日。バースデーソングを熱唱したのは阪神・青柳だった。本人が回顧して言う。

 「菊池さんにはいろいろ助けられました。打たれた次の日のバースデーソングも菊池さんに“やれ”と言われて。僕が落ち込まないように、他の選手から浮かないようにしてくれたんだと思います」

 2日の米国戦など2試合連続で失点していた右腕。“ヤギを何とか生かすところはないか”と思案し、チームの輪の中に引き入れようと声を掛けた。侍ジャパン常連らしい気遣い。いや、侍だけじゃない。菊池涼は、チームが勝つためにどんな貢献ができるか…を、常に考えている。

 「本塁打もだけど、中前2点打が大きい。九里が四球後に一発を浴び、嫌な雰囲気だったから」。佐々岡監督は3打点を挙げる菊池涼の活躍を絶賛した。攻守に派手なプレー以外にも、目立たぬところで尽力する31歳。主軸の値打ちだった。(江尾 卓也)

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