ミスターも認めた!!「今年の阪神は強い。手ごわい」、久々スタメン陽川の決勝2ランで巨人に勝ち越し

[ 2021年5月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神6-5巨人 ( 2021年5月16日    東京D )

<巨・神>4回、陽川が勝ち越しの右越え2ランを放つ(撮影・光山 貴大)
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 ミスターも認める猛虎の強さだ。阪神は通算2001試合目となった16日の巨人戦に勝って3連戦の勝ち越しを決め、巨人とのゲーム差を再び4・5に広げた。10試合ぶりに先発起用された陽川尚将内野手(29)が4回に決勝の2号2ランを放ち、起用に応えた。生観戦した巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(85)にチーム力の高さを見せつける勝利となった。

 通算2001試合目を迎え、新たな歴史構築へのリスタートとなった一戦で輝いたのは、佐藤輝でも助っ人勢でもない。今季4度目の先発となった陽川が高ぶる気持ちを一振りに込め、最高の結果につなげてみせた。

 「積極的にどんどん振っていこうと思っていました。気持ちはセンター返しというのを心がけていた。(スタンドに)入るか微妙な距離でしたが、入ってくれてよかった」

 2―2の4回無死一塁だ。1ストライクから2番手の右腕・平内の外角真っすぐを捉えた一打は高々と上がると右翼席最前列に飛び込んだ。3月27日ヤクルト戦以来、33打席ぶりの2号は値千金の決勝2ラン。ベンチ前ではゴリラポーズを久々に披露した。

 今季はドラフト1位・佐藤輝の台頭でベンチスタートの日々が増えた。「最近代打とかでチャンスで回ってきたときに全く内容のない打席ばかりだった」。4日ヤクルト戦で二塁打して以降、この打席まで6打席無安打。期する思いも力に変えた。

 昨オフからコンタクトする確率を上げるため、試行錯誤を繰り返してきた。自主トレでは「ヘッドスピードを利かせるのに効果がある」と自身が使用するバットよりも長いノックバットでロングティーを実施し、軸足の右足に重心を置いて「ため」をつくる練習も敢行した。動画サイトで他球団の長距離砲を参考にフォーム固めに取り組んだことも、この日の一打につながった。

 東京ドームに観戦に訪れた巨人の長嶋茂雄終身名誉監督は「今年の阪神はルーキーの佐藤君という新しい力もあり強い。手ごわい相手です」とコメント。その言葉はチーム力の高さを示したもので、レギュラー以外の選手の働きぶりも当然、加味されている。

 主砲の大山は背中の張りで2軍調整中。新助っ人のロハス・ジュニアも20打席無安打でも、今年の猛虎は白星を積み重ねている。伝統の一戦でも、そのチーム力を象徴する陽川の一発が生まれ、巨人とのゲーム差を再び4・5に広げた。宿敵相手に猛虎が確かな強さと自信を得た。(長谷川 凡記)

 【起用ズバリアラカルト】
 ▽山本 4月3日中日戦で8回守備から途中出場すると、引き分け目前の9回2死一、二塁から中越えへサヨナラ二塁打。20年11月に巨人からトレード移籍した男が、虎党に「阪神の山本」をアピールした。

 ▽陽川 4月4日中日戦で佐藤輝に代わって6番右翼で初先発。第1、第2打席ともに走者を置いて三振だったが、6回2死一、二塁から決勝の左前適時打を放つ意地を見せた。

 ▽佐藤輝 開幕から不動の4番だった大山に代わり、5月2日広島戦で初めて4番三塁で先発。5回にプロ野球初となる「新人の4番初出場試合で満塁弾」を放った。

 ▽糸井 開幕から代打のみの出場だったが、5月7日DeNA戦で初先発し6回に1号ソロ。9日同戦では5回に決勝の2号2ランを放った

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