高校野球に新たな応援の形 ツイッターで広がる支援の輪「Fans'」「FANB」とは?

[ 2021年5月17日 07:00 ]

甲子園球場
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 今、高校野球の存続が危ぶまれていることをご存じだろうか。そんな中、高校野球にとって重要な資源であった「OB会費」を、人々の生活の一部となったSNSを活用した支援が始まろうとしている。それは、ツイッターと連動した月額制ファンクラブ「Fans'(ファンズ)」を媒体にした野球部を応援する支援サービス「FANB(ファンビー)」である。このサービスは、従来の「OB会費」だけでなく、新たなファンの獲得によって、OB以外のファンからの応援、支援をしてもらおうという動き。「Fans'」「FANB」とは一体どういうものなのか。「Fans'」を運営する株式会社フェイスの執行役員・田中慎也氏と、「FANB」を活用し野球人口増、持続したサポートで高校野球を支えたいという思いを持つ日本未来スポーツ振興協会の代表理事・小川健太氏に話を聞いた。

 まず「Fans'」とはツイッターと連動した月額制ファンクラブであり、既存の「フォロワー」が「ファン」として応援できる場所。また、ツイッターの拡散力で、新たなファンとの出会いを作れるというものだ。

 「Fans'」を設立した理由について田中氏は「時代の変化、デジタル市場へのシフトとともに、ファンとのコミュニケーション方法も変化してきている」とし「有名、無名などに関わらず、これからは個が活躍し、注目される時代だと感じた。これが誰でもファンクラブを作れることができる『Fans'』構想のキッカケ」と語る。

 従来のファンクラブでは初期費用や運用コストがかかり、個人で運用していくのは難しい。さらに、サイトを更新した場合には「更新しました」といった告知の手間もある。だが、そういったコストや手間は「Fans'」に必要ない。田中氏は「コンテンツを更新すると自動的にツイッターに流れていく。ファンはツイッターのタイムラインを見ているだけでコンテンツを楽しむことができる。また、誰でも知っている、そして多くの方が使用するツイッターをファンクラブにできる」とメリットを示した。

 では、どうやってファンを増やしていくのか。田中氏は「定期的に更新することが大事」としつつ、ツイッターの拡散力を活用した「Fanアンバサダー」機能を勧めた。それは「投稿のシェア数やフォロワー数など、チームの魅力をさらに拡散してくれる熱量の高いファンをアンバサダーに認定できるもの」とした。つまり、熱心なファンが自身のツイッターで投稿をシェア、リツイートで拡散し、新たなファンを呼び込み、増やしていくことができる仕組みだ。

 その「Fans'」を媒体に「FANB」という野球部を応援する支援サービスを開始した日本未来スポーツ振興協会の代表理事・小川氏は「野球人口を増やすには、まずキッカケ作りをなるべく早い段階で作る必要がある」と訴えた。19年に行われた第101回全国高校野球選手権大会の連合チーム数は過去最多の86。出場校も3730校で16年連続で減少している。

 日本未来スポーツ振興協会では保育園、幼稚園などの施設に安全に遊べる野球用具を無償で贈呈するプロジェクトなどで野球人口増を目指す取り組みを行っている。それでも減少スピードには追い付かない。そこで「FANB」を通じて多くの人々に高校野球への興味やチームを知ってもらうキッカケになると考えている。

 また、小川氏は「チームを稼働させるためには、部員募集や練習のサポート、活動費(消耗品、遠征費、設備投資など)が必ず必要になる。その中に文科省から発表された休日指導の外部契約制度による費用も加算される」と、学生スポーツの厳しい財政事情を知った。そこで「学校や部活担任だけでなく、OBや学校の卒業生、応援者で何かしらの応援サポートができないかと考えた」とし「『FANB』を使い、部活動との一定の距離感を保ちつつ、実質的な持続サポートができれば」と、新しい支援の形を広めていく。

 現在「FANB」を活用している高校野球チームは少ない。昨年からコロナ禍によって、高校野球だけでなく、あらゆる学生スポーツの大会が中止、延期、無観客となり、選手の活躍の場はもちろん、ファンが応援する機会も失われている。そんな状況だからこそ、新たな応援、支援の形が学生スポーツには必要だ。小川氏は、その手段の一つとして「FANB」というサービスを開始し「高校野球の存続のサポートをしていきたい」と語った。

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