金本知憲氏 安定感光った阪神・アルカンタラ 次回以降は左打者への対策がカギに

[ 2021年5月17日 07:30 ]

セ・リーグ   阪神6-5巨人 ( 2021年5月16日    東京D )

<巨・神>巨人打線相手に力投した阪神・アルカンタラ(撮影・大森 寛明)
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 【金本知憲 視点】初登板の阪神・アルカンタラは安定感のある投球だった。低めに沈む変化球でゴロを打たせることもできるし、速球で力押しもできる。コントロールを乱して自分から崩れるような不安感もない。

 もちろん、今回は相手もデータが少ない中での初対戦。今回の投球を踏まえて他球団は研究し、対策を立てて来るはずだ。印象としては左打者の方がくみしやすそうに見える。打席内での立ち位置を一足分ほど投手側へ近づけ、引っ張らず逆方向への意識を持てば、沈む球にも対応しやすくなる。左打者を打線に多く入れるチームもあるかもしれない。

 対策を取られたときに、どう上を行くか。バッテリーを含めた工夫がいる。今回ほとんど見られなかった左打者への内角球の使い方が今後の鍵になると思う。左打者への内角ストレートはどちらかというと、シュート回転で甘く入ってくる球質のように感じるから、内角ストレートより内角へカット気味に入ってくる球があれば、左打者は難しくなる。左右にも高低にも幅が広がり、ゾーンを広げて待たないといけなくなる。次回以降の登板で注目したいポイントだ。

 結果として4回の投手交代を突いた4得点が効いた。陽川は久しぶりの先発出場。巡ってきたチャンスでしっかり結果を残した。糸井も限られた出場機会で存在感を示している。ほぼメンバーが固定されている中、たまに出番を得た選手の活躍も目立つ。改めて選手層の厚さを感じる。

 菅野、坂本ら中核を欠く巨人に対して、いまの阪神は総合的な力が勝っている。チームとして調子の波も上にある。ちょうど40試合を終了。逆に言えば、まだ100試合以上が残る。勝てるときに勝っておきたいものだ。(スポニチ本紙評論家)

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