ソフトB・杉山 160キロ夢じゃない!6割の力で145キロ、打者と今季初対戦「速度は求めなかった」

[ 2021年2月7日 05:30 ]

フリー打撃に登板した杉山(撮影・岡田 丈靖)
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 杉ちゃん、まだ6割、マイルドだろ~。ソフトバンクの最速157キロ右腕・杉山一樹投手(23)が、宮崎春季キャンプ第2クール2日目の6日、フリー打撃に登板した。打者2人に44球を投じて安打性の当たりは4本。力の入れ具合は6割程度ながら最速は145キロを刻んだ。目標の160キロを狙うべく肉体改造に着手しており、フルパワーで臨む実戦形式を前に感触は上々だ。

 ピン芸人・スギちゃんは「ワイルドだろ~」でブレークしたが、鷹の杉ちゃんはマイルドに身体能力を見せつけた。ワイルドさを温存しても球の力で押し込むことができた。3年目右腕、杉山の収穫だ。フリー打撃で今季初めて打者と対戦し、オール直球で押した。余力たっぷりのマイルド投法ながら最速145キロをマークした。

 「テンポ、リズム良く軽く、丁寧に投げました。これで思い切り投げて腕を振れるようになれば違ってくるし悪くなかったです。球の力だけでの145だと思います」

 相手は復活を期す上林と、小久保ヘッドコーチから連日指導を受ける期待の2年目、佐藤直。上林への22球のうちボール球は5球。7球ファウルで安打性2本に抑えた。佐藤直には22球を投げて9球ボールと制球はいま一つだったが、3度の空振りを奪って安打性は2本のみ。前日5日の打撃練習で左腕の大竹から柵越えを放った男を沈黙させた。

 杉山は「久々の打者だったんで、速度は求めなかった」。それでもこの日、登板した4投手の中では球速は最速。オフの肉体改造が球の強さにつながっている。

 「まず体重を110キロにしたい」と昨年12月はボディービルダーの友人から助言を受けつつ、YouTubeでもウエートトレーニングを徹底研究。鶏胸肉が筋肉増強にいいと聞くと、自主トレから使用するグラブに「男は鶏胸肉」のししゅうを入れた。

 野生味あふれる“百獣(110)の王”を目指したが「キャンプで走れなくなるので」と現在の体重は107キロ。年始からは先輩右腕・泉と合同自主トレを行い、カットボールの共同研究とウエートトレーニングを重ねた。目標の最速160キロの大台にも「気がついたら、出てそう。出そうな感じがします」と手応えを感じている。

 第3クールからシート打撃が始まる。登板は濃厚。「より実戦(的)になるし、新しい変化球やレベルの高さを求められるので100%でいけるように。1年目は投げられない悔しさ、2年目は投げた中で実力のない悔しさを感じたので、今年は、悔しさをバネに1軍でやる」。マイルドからワイルドまで変幻自在の杉山は、初の開幕1軍だけではなく、年間通じてのブレークを狙っている。

 ▼ソフトバンク・工藤監督(杉山について)リラックスして、変に力が入らずいいバランスで145キロ。良かったんじゃないかな。力みなく、いいフォーム。凄い楽しみだな。

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2021年2月7日のニュース