楽天のマー君 メジャー流64分間始動!開幕「逆算」充実キャンプ初日

[ 2021年2月7日 05:30 ]

捕手を座らせて強めのキャッチボールをする田中将(撮影・白鳥 佳樹)
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 ヤンキースから楽天へ8年ぶりに復帰した田中将大投手(32)が6日、キャンプに合流し始動した。環境に慣れるための首脳陣の配慮から完全別メニューとなり、グラウンドで体を動かしたのはわずか64分間。無駄を省いたメジャーキャンプさながらで、自分のルーティンで一歩目を踏み出した。仕上がりは順調で7日にブルペン投球を予定。3・26開幕から逆算し、2月中に実戦登板することも予告した。

 懐かしい顔や緊張気味の若手らを前に、練習着姿の田中将が歩み寄った。「7年間アメリカで野球し、経験してきた。答えられることは伝えたいので、気軽に、気軽に聞いてください」。無観客で静寂のグラウンドに拍手の輪が広がった。

 そこからは本隊と離れ、一人サブグラウンドへ。ジョグなどで体を温め、70メートル近くまで距離を広げてキャッチボールを59球。座った受け手に投本間の距離で15球、全6球種を投げ込んだ。その後はダッシュ、ポール間走でまとめた。午前10時9分に走り始め、11時13分まで。グラウンドで動いたのはわずか64分間と、メニューを無駄なく消化した。7年間、キャンプ地のフロリダ州タンパやヤンキースタジアムで重ねてきたルーティンと重なった。

 「(石井監督から)任せると言われている。自分でスケジュールを立てながら、逆算しながら調整していく」

 9日までの今クールは完全別メニュー。「最初は張り切りすぎても。ずっと一人でやっていたし、いろいろご配慮してくださった」と続けた。寒い東京から気温24度の沖縄へ移った点も考慮。日米14年のキャリアへの信頼の裏付けだった。午後5時以降まで体をいじめ抜いた選手もいた中、田中は午後1時半すぎに球場を後にした。

 7日はブルペン投球を行う。首脳陣の2月中に一度は実戦登板というプランにも「もちろん。投げていかないと間に合わない」と話し、2月中に2試合投げる可能性も「分からない。順調だったらいけるだろうし」と否定しなかった。

 メジャーでは順調なら5~6試合、20イニング前後の実戦登板を開幕前に踏んできた。石井監督は「一般的に4、5試合は投げないと肩のスタミナもつかない。そのぐらいは投げると思う。ターゲットをこちらが決めれば、そこに向けて調整してくれると思う」と見解を示した。

 入団決定後に握り始めたNPBのボールは「しっとりしているな、と。アメリカに行った時より、適応は簡単だと思っている」と不安はない。「いかんせん8年ぶりなので。プランは立てているが、やっていく中で臨機応変にいかないといけない」。マウンド上と同様に自ら「考える」スタイルで、復帰ロードを練り上げていく。(後藤 茂樹)

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