広島・森下 マエケン直伝スライダー&ツーシーム解禁 完成度「0%」も将来見据え「投球の幅広がる」

[ 2021年2月7日 05:30 ]

<広島キャンプ>ブルペンでの投球でスライダーを予告する森下 (撮影・奥 調)
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 広島・森下暢仁投手(23)が6日、沖縄キャンプ3度目のブルペン投球で「マエケン直伝」のスライダーとツーシームを初披露した。1月の沖縄市内での自主トレ中に、同じ施設を拠点にトレーニングしていた球団OBの前田健太(現ツインズ)から伝授されたもの。未完成で今季中の使用に関しては未定としながらも完全習得を目指し、挑戦を続ける。

 すでに一級品である現在の持ち球だけでは満足できない。森下はこの日、背番号18の前任者である前田から学んだスライダーとツーシームをいずれも3球程度、ブルペンで試投。感覚を確かめた。

 「握り方と投げ方を聞いたけど、全然イメージをつかめなかったです。メジャーと日本の球では、曲がりが違うと言っていた。投げ方も全然違うので、一緒のような球になるとは思っていない。そこは自分で研究しないといけない」

 解禁したスライダーは完成度「0%」の自己評価に終わったとはいえ、理想の軌道は頭の中にある。「カットボールと似たような感じで(曲がり)幅が広がればいいかなと思っている」。140キロ前後を計測するカットボールは、直球の軌道から鋭く曲がる。その球速よりは遅く、さらに大きな変化を求めている。

 前田の代名詞であるスライダーの習得を目指すのは「三振を取りたい」から。昨季の124奪三振はリーグ3位。それでも、満足しない貪欲な姿勢が新球挑戦に表れている。

 もう一つの新球、ツーシームには「(右打者の)内角の攻め方の幅が広がるかなとずっと思っていた」と狙いを明かす。いずれも完成にはほど遠い。それでも、近い将来の完全習得を見据える。

 「ツーシームもスライダーも後々を考えてのこと。今季だけではなくて、野球をやるうえで必要になる時がきたら(投げる)。使える球が増えれば、投球の幅も広がってくると思う。試してみて、そういう球(新球)を投げられればいいな…くらいの気持ちです」

 9日に今春初のフリー打撃登板を予定する。「いま持っている球種の精度を上げるのが一番(のテーマ)」。将来の青写真を思い描きながらも、昨季の新人王はしっかりと地に足を着けている。(河合 洋介)

 《新球習得で奪三振量産の可能性》前田健太が広島で最後にプレーした2015年の奪三振球種を見ると、約6割にあたる101個をスライダーで奪った。昨季の森下は124奪三振のうち、約半分の61個がストレート。新球種のスライダーとツーシームを習得し、投球の幅を広げることができれば、奪三振量産の可能性は高まる。

 ▼広島・石原(森下の球を受け)感覚を確かめている段階だけど(スライダーの)曲がり方はいいと思うしツーシームも動いている。カットが小さく動くので、もう一つ中間の曲がり球が入れば、打者も迷うしリードもしやすくなる。

 《ドラ1栗林はフォーク解禁 3度目の投球練習》ドラフト1位の栗林(トヨタ自動車)が今春初めてフォークを投げた。沖縄キャンプ3度目の投球練習に汗を流し、クイックモーションを交えながら74球。「投げ始めにしてはまずまず。ストライクを取るフォーク、空振りを取るフォークがある程度は制球できていた」。今クールではフリー打撃登板を予定する。「他の投手に比べると後れを取っていると思う。徐々に精度を上げていけたら」と前を向いた。

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