“居酒屋軍団”Jプロジェクト、悲願の都市対抗初勝利ならず

[ 2020年11月24日 17:12 ]

都市対抗野球第2日   ジェイプロジェクト1―8鷺宮製作所 ( 2020年11月24日    東京D )

<都市対抗野球 鷺宮製作所・ジェイプロジェクト>4回裏を投げ終え笑顔でベンチに引き揚げるジェイプロジェクト・西納(撮影・河野 光希)
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 悲願の初勝利はならなかった。1―2の6回。守備のほころびから1点を失うと、立て直しが効かなかった。辻本弘樹監督(51)は「予選では勢いを持ちながら戦って来られたが、今日に関して言えば、勢い自体をハナから止められてしまった試合でしたね」と完敗を認めた。

 逆境をはねのけ、8年ぶり2度目の大舞台にたどり着いた。日本野球連盟に登録している企業チームとしては唯一、飲食業を主事業とするジェイプロジェクト。新型コロナウイルス感染拡大の影響は事業を直撃した。4月に発出された緊急事態宣言を受け、直営店のほとんどを完全休業とし、専用練習場を持たない野球部も4月から3カ月間の活動を休止を余儀なくされた。

 部員は全員が社員として店舗でのホール、バーテンダーなどに従事する。野球も仕事もできなくなった現状。それでもナインの心は折れなかった。長い個人練習期間を経て7月1日に活動を再開すると、東海地区2次予選で快進撃を見せる。挙げた4勝のうち3勝がサヨナラで、1勝が延長戦。不屈の精神で勝利を重ね、8年ぶり2度目の大会出場を決めた。だが本大会では持ち味の「勢い」は鳴りをひそめた。唯一の得点を叩き出した今井は「こんな大変な時期に…。会社も大変な時期に、野球をやらせてもらっていることに感謝し、それをここで表現したかったけど、できなかった…」と涙が止まらなかった。

 平素から「企業スポーツは心の社旗」を公言し、野球部への物心の援助を惜しまない新田治郎代表取締役も客席最前列に陣取り、ナインの勇姿を見守った。0―2の3回、今井の適時打で1点を返した際には立ち上がり、両腕を掲げて喜びを表現。身を乗り出し、食い入るようにグラウンドを見つめた。ジェイグループHDは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3~8月期の連結決算で13億円の赤字。21年2月期の業績予想も赤字を見込んでいる。感染者のさらなる増加を受け、年末年始の店舗利用も期待できない状況。さらなる苦境が待ち受けている可能性があるが、代表取締役は「現時点で社旗を下ろすことはない」と言う。「いい勉強を、経験をしたと思う。今年に限れば、野球をここまで楽しめただけで幸せだと思う。多くの方々に感謝したい」。今後は野球部とともに、難局を乗り越える方策を模索していく。

 初出場だった2012年は初戦で、優勝したJX―ENEOS(現ENEOS)に1―2と惜敗。悲願成就は次回大会以降に持ち越しとなった。代表取締役はナインに「あきらめない。ウチらしく挑戦していって欲しい」と投げかけた。

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