阪神 悪夢の結末 井上失策、ボーア凡走、最後はスアレスがサヨナラ被弾 5割逆戻りでBクラス迫る

[ 2020年10月16日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-5中日 ( 2020年10月15日    ナゴヤドーム )

<中・神21> 9回2死二、三塁、高橋にサヨナラの3ラン本塁打を浴びたスアレス (撮影・平嶋 理子)                                                           
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 悪夢の結末だった。1点優勢の9回。2死二、三塁で申告敬遠も選択肢にあった場面で阪神ベンチとスアレスは高橋との勝負を選択した。カウント1―1からの3球目。甘い速球をはじき返された大飛球は左翼席最前列に消えた。

 「もう勝負だから。スアちゃんに(スアレス)今まで助けてもらってきたから。もちろん(責められない)」

 矢野監督は唇をかみながら、最後まで守護神を責めることはしなかった。スアレスにとっては来日初のサヨナラ被弾。屈辱の同一カード3連敗を喫した。8回に一度は逆転に成功しながら、走攻守において連発したミスが悪夢につながった。

 9回も拙守が引き金だった。1死一、二塁でビシエドが二直。飛び出した二塁走者を刺そうとした植田の二塁送球がそれ、走者を二、三塁へ進めた。

 初回には井上がアルモンテの右前適時打を後逸。3回1死では高橋の一ゴロをボーアが取り損なうなど、計3失策を数えて守備のほころびが露呈した。

 「今日は多すぎた。ベースカバーとか、エラーとかね」

 記録に残らないミスも続出。初回先頭の大島に許した一塁内野安打では岩田のベースカバーが明らかに遅れた。2回1死では松葉が打った二塁への高いバウンドのゴロを糸原が待って捕球したことで内野安打にした。

 2回の攻撃では1死二塁から原口の放ったゴロが飛び込んだ三塁手・高橋の先を抜けて左前へ。二塁走者のボーアは二塁へ戻った上、打球が抜けたことを確認してからでも間に合ったはずの三塁進塁を自重した。

 方針であるはずの「超積極的」が随所で影を潜め、チーム70失策は12球団ワーストだ。36日ぶりに貯金がなくなり、Aクラス死守の危機にも直面。矢野阪神としての原点回帰が求められるような敗戦だった。 (山本 浩之)

 《サヨナラ被弾は初》スアレス(神)が阪神移籍42試合目で初黒星。今季セーブ機会での救援失敗は7月22日広島戦、10月6日の広島戦に続く3度目。サヨナラ負けはソフトバンク時代の16年9月26日、ロッテ戦延長10回に鈴木に中前打されて以来通算3度目で、サヨナラ被弾は初めて。

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