“職人”広島・菊池涼 リーグ記録の守備機会連続無失策達成 究極目標の守備率10割へあと21試合

[ 2020年10月16日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5-5巨人 ( 2020年10月15日    東京ドーム )

<巨・広21>7回2死 丸をアウトにし舌を出しベンチに引き揚げる菊池(撮影・久冨木 修)
Photo By スポニチ

 広島・菊池涼介内野手(30)が15日の巨人戦で二塁手としてシーズン連続守備機会無失策を434に伸ばし、27年ぶりにセ・リーグ記録を更新した。7回に丸の二ゴロを処理して1993年に和田豊(阪神)がマークした432に並び、延長10回に記録を2つ伸ばした。4点差を追い付いた試合は5―5で今季10度目の引き分けに終わった。

 希代の名手にふさわしい勲章だった。二塁手としてのシーズン連続守備機会無失策のセ・リーグ記録を27年ぶりに更新した菊池涼。延長10回を戦い抜き、疲労をにじませながらも達成感に浸った。

 「いつもシーズンはエラーゼロで終えるという信念を持ってやっている。打つ方では迷惑かけた部分もあるけど、それでも守備だけは…と思って、毎日やってきた積み重ね」

 自慢の美技を披露する場面は無くても堅守で数字を積み重ねた。7回2死から丸の二ゴロを処理し、阪神・和田豊が93年にマークしたシーズン432連続守備機会無失策のセ・リーグ記録に並ぶ。そして延長10回、1死一塁からバント処理をした捕手の送球を一塁で捕球し、記録を更新。2死後に飛球をつかんで記録を伸ばした。

 「守備はボクの持ち味。打撃に比べて勝利に直結しないかもしれないけど、打撃がダメな時でも守備は守備、走塁は走塁と切り替えてやってきた」

 究極の目標に挑戦する。今季は開幕から91試合連続ノーエラー。守備率1・000を誇る。二塁手のシーズン最高守備率は、セが87年の高木豊(大洋)、パが94年の白井一幸(日本ハム)でいずれも・997。無失策のままシーズンを終えれば史上初の快挙だ。外野からの中継や併殺、盗塁など守備機会が多く、難しいポジション。それでも菊池涼なら…と期待を抱かせる。

 「シーズンを戦いながら無失策は本当にすごい。投手をいつも助けてくれている」

 7年連続ゴールデングラブ賞を誇る名手に佐々岡監督は最敬礼。いや、この日は攻撃面で3安打猛打賞をマーク、さらに犠打を決めて勝機を演出。打率を・275まで引き上げた。自慢の守備はもちろん、打撃でも貢献度は高まりつつある。

 「ナインはみんな勝ちたいと思っている。後輩には打撃がダメでも守備は守備、走塁は走塁という姿勢を示していきたい」

 前人未到の金字塔を打ち立てる瞬間まで、残るは21試合だ。 (江尾 卓也)

 《プロ野球記録は545》菊池涼(広)の434守備機会連続無失策は、二塁手では93年和田豊(神)の432守備機会を抜くセ・リーグ記録。プロ野球記録は94年白井一幸(日)の545がある。開幕から無失策を継続中で、シーズン無失策の守備率1・000は外野手では昨季の大島(中)、島内(楽)ほか過去多数いるが、内野手では一塁手の18年ロペス(D)、19年岡本(巨)、内川(ソ)の3人だけ。二塁手の最高守備率は87年高木豊(大洋)の・9971(守備機会691、失策2)、次いで前記94年白井(日)の・9970(守備機会671、失策2)がある。

続きを表示

この記事のフォト

2020年10月16日のニュース