ソフトB・長谷川 コロナ復帰から11試合目、初代打満塁弾!「最高の結果になってくれた」

[ 2020年10月16日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク9―4オリックス ( 2020年10月15日    京セラD )

<オ・ソ>6回1死満塁、代打・長谷川は右越え満塁弾(撮影・井垣 忠夫)
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 35歳がダブルの初体験だ。ソフトバンクの長谷川勇也外野手(35)が15日、オリックス戦の6回に代打で出場し、右越え1号満塁本塁打を放った。プロ14年目で代打弾も満塁本塁打も自身初。8月に新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱し、困難なシーズンを送ったベテランが5連勝に導く、大きな一発を放った。

 復帰から11試合目。長谷川は苦しみの中にいた。「1軍に来てレベルが上がった時に、1カ月のブランクは大変だったと実感した」。新型コロナウイルスに感染しての離脱から、ようやく吹っ切れるきっかけの一発は、ど派手な代打満塁弾だった。

 「満塁弾を打っていないのは知っていた。非常にうれしい。最高の結果になってくれた」

 6回、1点を勝ち越してなお1死満塁。バレンティンの代打で打席に立った。比嘉の内角低めの変化球をすくい上げると、鋭い打球は右翼へ。プロ14年目、通算73発目で初のグランドスラム。代打での本塁打も初めてだった。

 7月上旬に右脇腹負傷で離脱。1軍復帰が見え始めた矢先、さらなる試練に見舞われた。8月1日に新型コロナウイルスのPCR検査で陽性が判明。自宅待機の期間は約1カ月にも及んだ。「毎日検査して、毎日陽性と言われたので…。陰性と言われたときに、どっちが陰性でどっちが陽性か分からなくなるぐらいでした」。9月4日に練習に復帰したが、室内で筋肉維持に努めても体重は減った。9月30日に1軍復帰。打席での感覚はなかなか戻らない。前日まで10試合で19打数3安打、安打は全て単打。不本意な日々が続いていたが、ようやく全快の一発。球団の代打満塁本塁打は史上10本目で、35歳で放ったのは最年長記録になった。

 新型コロナウイルスと闘う特別なシーズン。身をもって体験した長谷川にしか分からない苦しさもある。「まだまだ解明されてない病気。手探り状態で苦労しました。寒くなると重症化しやすいと言われる。皆さんも気をつけてほしい」。シーズン佳境に戦いの輪に加わり、病に打ち勝つ姿を見せて、5連勝と、2位・ロッテとのゲーム差を4に広げる立役者になった。

 ≪チーム最年長代打満塁弾≫長谷川(ソ)が6回に代打満塁本塁打。長谷川の代打本塁打、満塁本塁打はいずれも初めてとなった。ソフトバンクの代打満塁本塁打は昨年6月21日巨人戦の福田(現ロ)以来9人目、10度目。35歳での代打満塁弾は87年の山村善則の32歳を上回るチーム最年長記録となった。

 ◆長谷川の今季

 ▽7・6 佐賀市内の病院で検査を受け「右脇腹の筋挫傷」と診断される。

 ▽7・7 出場選手登録を抹消される。

 ▽8・1 新型コロナウイルスの感染が判明。

 ▽9・4 自宅待機を経て、チーム練習(リハビリ組)に合流。球団を通じ「練習に復帰することができホッとしています。ファンの皆さんやチームのみんなも、感染しないよう十分に気をつけてほしい」とコメント。

 ▽9・11 ウエスタン・リーグの阪神戦で実戦復帰。

 ▽9・29 楽天戦で1軍昇格。

 ▽9・30 楽天戦で「6番・DH」で起用され、9回の第4打席で復帰後初安打となる中前打を放つ。

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