MLB、さらに開幕延期 最短でも5月中旬以降、7月案も浮上

[ 2020年3月18日 02:30 ]

ロブ・マンフレッド・コミッショナー(撮影・青木芳治通信員)
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 大リーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド・コミッショナー(61)は16日(日本時間17日)、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初の26日(同27日)から最低2週間は遅れるとしていた開幕をさらに延期すると発表した。最短でも5月中旬以降となり、米メディアは7月開幕の可能性も指摘。レギュラーシーズン短縮は必至で、オールスター戦中止やポストシーズン短縮、ワールドシリーズ延期の可能性も浮上している。

 新型コロナウイルスの終息が見えない中、大リーグが30球団の代表者と電話会議を開き、開幕の再延期を決めた。米国疾病対策センター(CDC)が、8週間は50人以上が集まるイベントの中止か延期を前日に要請したことを受けたもの。会議後、セントルイス・ポスト・ディスパッチ紙の取材にマンフレッド・コミッショナーは「各球団とも、開幕後はできるだけ多くの試合を開催しようと考えている」と話したが、シーズン162試合の実施は極めて困難だ。

 8週間後の5月中旬にチームが再集合した場合でも、以降2、3週間程度のキャンプが必要とみられ、開幕は6月にずれ込む可能性が高い。全国紙「USAトゥデー」の看板記者ボブ・ナイチンゲール氏は「数人のGMが、7月開幕に備えている」とツイートした。

 元来、休養日が少ないメジャーの過密日程。大谷が所属するエンゼルスの場合、5月中に開幕できなければ、現在のレギュラーシーズン最終日までの休養日15日間で58試合を行う必要があり、試合数短縮は避けられない。

 AP通信は「オールスター戦が危ういかもしれない」と報じた。7月14日(日本時間15日)にロサンゼルスで予定される球宴を第2次世界大戦中の1945年以来となる中止に踏み切り、前後の休養日と合わせて活用する可能性は十分。10月20日(同21日)に開幕予定のワールドシリーズの延期や、その過程のプレーオフを短縮する検討も必要となる。

 《当面の移籍凍結を検討》開幕の再延期に伴い、MLBと大リーグ選手会は当面の移籍の凍結や、メジャー登録日数に応じたオプトアウト(契約破棄)など個々の契約条項の見直しを検討している。また、年俸が一定額に達していない選手への4、5月分の給料の補償についても協議中。前年からのストライキで開幕が遅れ、144試合制となった95年は、選手の給料が11.1%落ち込んだという。

 《機構と選手会、1億円を寄付》大リーグと大リーグ選手会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で苦しむ人々へ慈善団体を通じて、計100万ドル(約1億700万円)を寄付すると発表した。公立学校の閉鎖や自宅での孤立で十分な食事が確保できない子供や高齢者を援助する。マンフレッド・コミッショナーは「パンデミックという困難な状況の中、一丸となって社会の弱者を助けることが重要」と話した。

 ▽大リーグの開幕延期&球宴中止 シーズン開幕が延期となるのは、大リーグ選手会が労使闘争で前年8月からストライキが続いていた95年以来。4月25日に開幕し、シーズンは144試合に短縮された。球宴が中止になったのは第2次世界大戦中で移動制限が課された45年のみ。開幕後の4月24日に決まり、出場選手は選ばれていない。開催地に予定されていたフェンウェイ・パークは翌46年の開催地となった。

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2020年3月18日のニュース