阪神 異例の甲子園“キャンプ” 糸井「最高」

[ 2020年3月18日 05:30 ]

甲子園球場で練習する阪神ナイン(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は17日、甲子園球場で“キャンプ”を実施した。野手陣が午前と午後の2部構成で約4時間の全体練習。クラブハウスでの昼食時間も設け、2月の春季キャンプに戻ったような光景だった。ベテランや外国人選手も参加して3月の本拠地では異例の調整。糸井嘉男外野手(38)も新鮮な様子で取り組んだ。新しい開幕日は依然として不透明な情勢だけに調整にも工夫を施した。

 休養明けの全体練習再開は、キャンプ初日のようだった。野手陣は2軍戦出場の大山らを除く15人が参加し、午前10時からウオーミングアップを開始。投内連係とシートノック後には「コロンビアノック」が組まれた。

 一人ずつ一塁から二塁へ走りながらノックを捕球し、休まず二塁から三塁へ走りながら捕球。今度は逆の流れで一塁へ。若手は計20球がノルマで、糸原や北條はうめき声を上げて芝生に横たわった。

 ベテランや助っ人も免除されず、計12球へ軽減。ボーアは体重122キロの巨体を揺らしてスライディングキャッチするなどユニホームを泥だらけにし、「毎日一生懸命準備することは変わらない。いい練習というか楽しかった」とうなずいた。

 午前中だけで切り上げた投手陣に対して野手陣はクラブハウスでの昼食後に再びグラウンドへ。フリー打撃後は外国人以外が6カ所に分かれてロングティーに取り組み、40分間にわたってバットを振り続けた。計4時間で終了。糸井は「まだ開幕は先ですし、追い込めるところは追い込んでいける時期なので。ミニキャンプじゃないですけど、最高」と充実感をにじませた。

 16日に無観客でのオープン戦を終え、休養日を合わせて4日間は実戦がない。本来なら20日の開幕戦への最終調整に充てる期間だった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて開幕は延期となり、20日以降も無観客での練習試合が継続。矢野監督は異例の“キャンプ再開”を決めた。

 「練習日が続くんでコーチの人らも考えてくれて、やれることをしっかりやっておこうかということで、そういうメニューになった。強度を上げるとは一概には言えないけど、やれるところでしっかりやるっていうこと」

 加えて20日からは神宮、横浜遠征で本拠地を離れる期間も長くなることから井上打撃コーチは「ビジターで練習量も減るし、この状況でスポーツジムに行くことも難しいから」と必要性を説いた。きょう18日も同様に2部練習を予定。メリハリも付け、未知の開幕への準備を進めた。
(長谷川 凡記)

 ▽甲子園球場での“キャンプ” 阪神の春季キャンプは1960年までは2月に合同練習の形式で主に甲子園で実施していた。61年の高知キャンプ(高知球場)から温暖な土地に拠点を変更。以降は1月中に甲子園を使った合同自主トレが91年まで続いた。

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