常葉大菊川 新監督に石岡諒哉コーチ 07年センバツで日本ハム中田を“牛耳った”男

[ 2020年3月18日 05:30 ]

昨年11月の第6回Sリーグでの常葉大菊川・石岡新監督
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 07年第79回センバツで日本一を経験した春夏通算10度の甲子園出場がある常葉大菊川野球部(静岡県菊川市)の新監督に、石岡諒哉コーチ兼副部長(30)が17日付で就任したことが分かった。常葉大グループ内の人事に伴い、4月1日付で高橋利和監督(33)が常葉大橘(静岡市)に異動するため。新型コロナウイルスの感染拡大により活動は休止中だが、再開と同時に2年ぶりの夏甲子園へ指揮を執る。

 プレーヤーとして甲子園の日本一を知る石岡新監督が、いよいよ船出する。コーチから立場が変わり「究極の姿は社会人野球です。まずは全てにおいて全力疾走。誰でもできることができなければ技術の向上はあり得ません。野球人としてグラウンドにふさわしい人間になるため、礼儀や言葉遣いなども含めもう一度見つめ直す。必死でやります」と気を引き締めた。

 選手時代の実績は申し分ない。07年第79回センバツでは、DeNAでプレーするエース左腕・田中健二朗(30)の女房役として攻守で大活躍。打っては勝負強く、守っても強肩で強気なリードには定評があった。準々決勝の大阪桐蔭(大阪)戦で、今や球界を代表する日本ハムの主砲・中田翔(30)を徹底的な内角攻めで牛耳ったリードは記憶に新しい。

 指揮官としては初めてのチャレンジであっても、30歳と若い上に未知の魅力がある。輝きを放った高校時代とは対照的に、7年間の社会人野球生活ではチーム内競争に屈し、故障にも泣いた。苦楽を知るからこその貴重な経験を生かす。

 「1球に対する思いは半端なかったです。試合に出られませんでしたが、一緒に練習をさせていただいて身をもって感じています。厳しい経験をしてきたからこそ教えられることがあると思います」

 フルスイングや隙を突いた積極果敢な走塁など、これまでの持ち味は残しつつ、全ての部分で厳しさを追い求めた野球で新たな伝統を築く。新型コロナウイルスの感染拡大により現在休校中。活動も今月末まで自粛予定だが、早まる可能性もある。「各自やってくれていると思います。心配していません」とナインを信じ、再開を楽しみに待つ。

 ◆石岡 諒哉(いしおか・りょうや)1989年(平元)5月3日生まれ、静岡県浜松市出身の30歳。有玉小1年から浜松ジャガーズで野球を始める。積志中―常葉菊川。高校では2年秋から捕手でレギュラーとなり、3年春夏甲子園出場。センバツで優勝、同年夏の選手権は4強。卒業後は新日本石油ENEOS(現JX―ENEOS)で4年間プレー、都市対抗野球に3度出場。その後、移籍した新日鉄住金東海REX(現日本製鉄東海REX)でも都市対抗に1度出場した。17年4月から事務職員として勤務。1メートル75、80キロ。右投げ右打ち。家族は妻。血液型O。

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