センバツ中止…渡辺元智・横浜高元監督「“あの時の球児たちは素晴らしかった”と言われるように」

[ 2020年3月12日 05:45 ]

選抜高校野球大会 史上初の中止

横浜高元監督の渡辺元智氏
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 史上初のセンバツ中止を受け、横浜高元監督の渡辺元智氏(75)は出場予定だった32校の選手、指導者らの心情を思いやり、今こそメンタルが試される時と言葉に力を込めた。この苦境をいかに乗り越えるか。現状を前向きに捉え、再びグラウンドに球音が戻った時に最高の試合を見せてほしいと訴えた。

 「国難」と言うべき事態で、中止の判断はやむを得なかったと思う。ぜひ大会をやらせてあげたいと思っていたが、この状況では決定に従うしかない。

 春の地区大会や県大会、ブロック予選なども都道府県によっては中止を決めている。過去に前例のない、こういう状況だからこそ夏に向けては、個性より力を合わせることが大事になる。そして、日々の練習をいつも以上に大事にし、目標をしっかり持っていかなければならない。

 野球技術の進歩はめざましいが今こそメンタルが試される。練習ができない中、自主練をしているチームも多いだろう。グラウンドに集まって練習できない状況で、どうやったら技術が向上できるか。それぞれが考えて工夫し、自らと向き合う時間ができる。そうやって前向きに捉えてやってもらいたい。きっといろんな野球が見えてくると思う。

 今大会に出場予定だった選手たちは本当に気の毒だと思う。「あの時の球児たちは素晴らしかった」と言われるように、この状況を耐えて乗り越えていくしかない。現状で終息は見えないが、もし今後の試合が開催できるようになった時には大変な状況にある人たちを勇気づけるような試合をしてほしい。(横浜高元監督)

 ▼帝京・前田三夫監督 今の日本の状況を考えれば中止決定は仕方ないと思うが、出場32校はみんな努力してここまで来た。落胆は大きく気持ちの切り替えは難しいだろう。とにかく夏へ向けて頑張ってほしい。ただ、センバツがないというのは寂しく感じる。

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2020年3月12日のニュース