楽天6連勝 3.11“特別な日”にいわき出身の内田 1軍定着へ二塁打でアピール

[ 2020年3月12日 05:30 ]

オープン戦   楽天9―2西武 ( 2020年3月11日    静岡 )

<楽・西>7回2死、二塁打を放つ内田(撮影・尾崎 有希)
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 東北の代表として特別な思いを抱いて臨んだ試合。2年連続覇者の西武を圧倒し、6連勝を飾った楽天・三木監督は「東北のプロ野球チームとして勝ちに向かって全力で戦っている姿を見せたい」と表情を引き締めた。

 11年3月11日の東日本大震災から9年。静岡での試合で発生時刻の午後2時46分、5回裏の攻撃を中断して黙とうをささげた。震災時から在籍する選手は銀次ら4人に減った。今季7年目の内田は当時を知らないが、福島県いわき市出身だ。途中出場で7回に中越え二塁打を放ち、追加点につなげた。オープン戦は打率・350、4打点、1本塁打と好調で「しっかりタイミングが取れている。1軍で結果を出すことが全て」と力強く話した。

 9年前、中学の卒業式から帰宅する途中に同級生と立ち寄った公園で経験したことのない強い揺れを感じた。「初めて死ぬんじゃないかと思った。凄く悲しい気持ちになりました」。いわき市は海沿いの地区が津波に襲われ、今も廃炉作業が続く福島第1原発の事故が県内の沿岸部の人たちを苦しめた。

 13年ドラフトで入団し、同年、楽天は球団初のリーグ優勝と日本一を達成した。「日本一になった東北の球団の一員になれることがうれしかった」と振り返り、こう続けた。「被災地出身で東北のチームで野球をやらせてもらっている。優勝に貢献して、東北の皆さんに何かを伝えられる存在になりたい」。その思いを結果で示し、今季こそ1軍に定着する。(重光 晋太郎)

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2020年3月12日のニュース