【スポニチ潜入(4)】大阪桐蔭・仲三河 本職は投手も打撃センス抜群 一流の「二刀流」目指せる逸材

[ 2020年3月12日 10:00 ]

<秋季大会 大阪桐蔭・初芝立命館>4回無死、本塁打を放つ大阪桐蔭・仲三河(撮影・平嶋 理子)
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 スポーツニッポン新聞社が記事と動画を連動して紹介する新企画「スポニチ潜入」。主に関西圏のアマチュア野球選手を紹介する12日公開の第4回は大阪桐蔭の主砲・仲三河優太投手兼外野手です。

 静かにトップをつくり、素早く振り抜く。力感はなくても、大きなフォロースルーから生み出される打球は、美しい放物線を描く。一連の動作に、無駄な動きがない。大阪桐蔭・仲三河を言い表すには「好打者」という表現がピッタリだ。

 昨秋は強力打線の軸として公式戦11試合に出場し、チームトップタイの3本塁打を記録。近畿大会では4番も任された。名将・西谷浩一監督も「飛距離ならウチで3本の指に入りますよ」と評すスラッガー。西野、船曳、吉安らとともに「常勝軍団」を、けん引する存在だ。

 悔しい思いを胸に秘める半面、試合に出る意義も感じながらグラウンドに立っている。今では「大阪桐蔭の4番」としてクローズアップされることも多いが、本来は投手だ。いや厳密に言えば、今も投手が本業だ。栃木・大平中では小山ボーイズに所属しエース。3年時には春夏の全国大会とジャイアンツカップでいずれもチームを準優勝に導き、U15日本代表として出場したアジアチャレンジマッチでも決勝で先発し優勝に貢献。同世代を代表する投手の一人だった。

 鳴り物入りで入学した大阪桐蔭でも即座に頭角を現した。1年時の6月に行われた招待試合・大手前高松(香川)戦で3回無安打無失点6奪三振と結果を残し、夏の大会のベンチ入りを勝ち取った。当時から直球は最速138キロを計測。抜群の制球力を兼ね備え、将来のエース候補として期待されていた。指揮官も「そうじゃないと1年の夏からベンチに入れていません。コントロールが良く、当時の主力だった柿木(現日本ハム)、横川(現巨人)らに“手本にしろよ”と言ったくらいの投手でしたからね」と振り返る。

 だが、1年夏の大阪大会終了後に右肩痛を発症。2年夏の大阪大会前にも腰に違和感を覚えるなど相次ぐ故障に見舞われた。投手として復調のきっかけをつかめないまま時間だけが過ぎて行った。そこで西谷監督から「気分転換の意味も込めて」と勧められ、一時的に野手へ転向。「中学の試合を見た時から打撃もいいと思っていた」という指揮官の眼力は確かで、野手としても非凡なセンスを発揮した。今では堂々たる中軸の一角。それでも本人の中では、やはり「投手」への思いが強い。

 「悔しさがあった方が、成長するスピードというか、幅が大きくなるので。今は(投手としての不調を)プラス思考に考えて、成長する姿を、最後の夏に(見せたい)。投手としては、夏に見せられたらと思います」

 今年に入ってからも週2回、投手としての練習メニューをこなしている。味わってきた辛い思いは、確実に肥やしとなる。仲三河の生まれ持った能力と、悔しさを糧にした努力をもってすれば、最後の夏に「投打二刀流」として輝きを放つ姿が見られるに違いない。(大阪報道部・惟任 貴信)

 ◆仲三河 優太(なかみがわ・ゆうた)2002(平14)年10月22日生まれ、栃木県栃木市出身。50メートル走6秒5、遠投90メートル。1メートル80、90キロ。右投げ左打ち。

 ※本記事の動画は「スポニチチャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCCDmd01WsuFBF8n3yMjHQ1A)において12日正午頃、配信予定。次回は3月16日配信予定です。(記事、動画の内容は新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府の臨時休校要請が出る以前に取材したものです)

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