4月中の開幕目指し カギとなる「基本再生産数」 数値を下げるためにも…

[ 2020年3月12日 08:30 ]

<NPB会見>会見する(左から)オリックスの湊球団社長、斉藤コミッショナー、巨人の今村球団社長(撮影・西海健太郎)
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 開幕、あるいは再開と段階こそ違うが、プロ野球とJリーグは公式戦開催の延期をともに決めた。再開へ向けて、一つのカギとなるのが感染力の大きさを表す「基本再生産数」という数値だ。

 プロ野球は4月中の開幕を目指している。斉藤惇コミッショナーは「基本再生産数が、今の一人の患者さんから2、3人と増えていく段階では、たくさん人が集まる野球では、なかなか難しいと思う」と話す。

 基本再生産数はR0とも表記され、一人の感染患者が罹患中に何人の未感染者に伝染させるかの目安。「それが1対1とか、1対0・8とかなると、一応収まりつつあるというデータにはなると思う」と斉藤コミッショナーは続けた。この数値が1未満だと感染は自然と収束していく。

 1月末の段階で、世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症の基本再生産数を1・4から2・5程度と推定していた。ただし、これはウイルスそのものの感染力に加え、感染対策の有無や、環境にも大きく左右される。例えばダイヤモンドプリンセス号における発生当初の基本再生産数は14・8であったと推定する報告もある。一方で政府の専門家会議によれば、国内の大半の感染者は、換気が悪いなど特殊な環境下でなければ0か1未満とする分析もある。

 プロ野球とJリーグが合同で設置した新型コロナウイルス対策連絡会議の専門家チームも、この基本再生産数の低下を一つの要点に挙げている。専門家チームの三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は「基本再生産数がある一定のレベル以下になるか。これは1がいいのか、もっと下がいいのか、もっと上でいいのか、そこは議論しなければいけない」と話した。明確な数字をすぐ掲げることは難しいが、現状からの低下は必要不可欠という認識だ。そのためにはファンや国民へ向けた感染対策の啓発活動が大事になると指摘している。特効薬はすぐにはできない。正しい情報と対策の共有を徹底し、できることで基本再生産数を少しでも下げていくことを目指すしかない。(記者コラム・後藤 茂樹)

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