大谷、広角3安打!日米通じ自己新月間30安打 45日ぶり打率3割復帰

[ 2019年6月30日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス2―7アスレチックス ( 2019年6月28日    アナハイム )

アスレチックス戦の6回、三塁内野安打を放つエンゼルス・大谷
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 止まらない、止められない――。エンゼルスの大谷翔平投手(24)は28日(日本時間29日)のアスレチックス戦に「3番・DH」で出場し、4打数3安打、1得点で5試合連続安打。日米を通じて月間自己最多の30安打とし、5月14日以来45日ぶりの打率3割(・301)にも復帰した。1試合3安打以上は今季5度目で早くも昨季の4度を上回り、猛打ぶりに敵軍からも悲鳴が上がった。

 試合後、敵将のボブ・メルビン監督が大谷に脱帽した。「彼にシフトを使うのはやめたよ。どの方向にも打てるから。今日の試合がそうだっただろう」。今季無安打無得点を達成した右腕ファイアーズから4回に右前打、6回には三塁線に内野安打。8回には左腕バクターからライナーで右中間へ二塁打した。

 「日に日に良くなっている。全体的に見たら甘い球をしっかり打てている印象。際どい球にバットを止めながら、甘く来た球に良い軌道で(バットを)出していけている」

 自己最多を更新する月間30安打。好調ぶりに加え、進化を示しているのが打球方向だ。今季は左翼方向への安打が昨季の13%を上回る18%。広角に安打が出ているから、近年流行している極端な守備シフトを敷くことができない。動作解析システム「スタットキャスト」によれば、昨季メジャー各球団は大谷の打席の46・8%(両リーグ56番目)でシフトを使ったのに対し、今年は25・8%(同177番目)と激減。この日は正攻法の通常シフトで対峙(たいじ)しても打ち込まれた。

 6回に内野安打を許したチャプマンは、大学時代に98マイル(約158キロ)をマークしたメジャー屈指の強肩三塁手。三塁線の痛烈なゴロをバックハンドで処理し、ジャンピングスローを試みたが及ばず。「大谷はリーグでも最も守りにくい打者。彼は打てるだけでなく打球は速いし、走れる」と舌を巻いた。

 大谷はシフトの有無で「アプローチは変わらない」という。その上で、打席の中で最も心掛けているのは「ストライクゾーンをしっかり振ること。一番大事なところで、一番できないこと」と好球必打の基本を強調した。

 この日は毎年恒例の「クリスマス半年前」企画で、打席時に大型ビジョンでクリスマス関連の映画と合成された各選手の写真が映し出された。大谷は1946年に大ヒットした「素晴らしき哉(かな)、人生!」の登場人物に。チームの連勝は4で止まったが、大谷の進化を象徴する3安打は、地元ファンに素晴らしき贈り物となった。(奥田 秀樹通信員)

 ≪術後2度目のブルペン投球へ≫試合前に大谷は約15分間のキャッチボール。前回同様、右肘の手術後最長の180フィート(約55メートル)で投げた。29日(日本時間30日)に術後2度目のブルペン投球に臨む。また、ブラッド・オースマス監督は、球宴の本塁打競争出場の可能性について改めて問われ「招待状が来ているかどうか、聞いていないし知らない。(勝つチャンスは)打撃練習を見る限り、あると思う」と話した。

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2019年6月30日のニュース