巨人・山口“地方の鬼”本領発揮 秋田で3冠!7回零封「ギバちゃんパワーをもらいました」

[ 2019年6月30日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6-2ヤクルト ( 2019年6月29日    秋田 )

1000イニングのボードを手に笑顔を見せる山口(撮影・森沢裕)
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 巨人の山口俊投手(31)が29日のヤクルト戦で7回3安打無失点の快投でハーラートップタイの8勝目を挙げた。防御率1・99、勝率・800を含めリーグ3冠。巨人移籍後は地方球場で6戦5勝(1敗)と抜群の安定感を誇る。通算1000投球回も達成した右腕が、同一リーグ同士の対戦再開初戦を勝利に導き、2位・広島とのゲーム差は2・5に広がった。

 「地方の鬼」山口が秋田でも君臨した。7回2死。奥村をスライダーで二ゴロに打ち取りマウンドを降りた。

 「力まずに打ち取っていこうと。フォークが投げづらいマウンドなので、三振よりもしっかり打たせるというのがうまくいった」

 状況に応じて投球を変える頭脳を発揮した。この日はフォークで三振を量産するのではなく、スライダーを有効利用しゴロやフライで打ち取った。6奪三振にとどまったが、散発3安打で三塁すら踏ませなかった。秋田の名産「あきたこまち」は水分含有量が多く、粘り気が強いのが特徴だが、山口も下半身の強じんな粘りで慣れないマウンドにも適応した。

 前日の練習でマウンドの状態を確認。しっかりと腰を落として下半身主導で投げるため、地方特有の低く軟らかいマウンドにも対応できる。昨季は地方球場4試合で3勝1敗、防御率1・29。今季も4月16日広島戦(鹿児島)に続き、2戦2勝となり、原監督は「安定していますね。順応力はあるんでしょうね」と評価した。

 試合前には秋田県出身で在住の俳優の柳葉敏郎(58)が巨人ベンチを訪れると、大ファンだという山口は自ら写真撮影を求めた。「握手でギバちゃんパワーをもらいました」。降雨で試合開始が30分遅れたが「始まる前から決まっていたので全然問題なかった」と、どこまでも冷静で自然体だった。

 6月は無傷の4連勝。リーグトップタイの8勝目を挙げ、勝率、防御率と合わせてリーグ3冠に躍り出た。6月29日は横浜(現DeNA)時代の13年前、巨人戦でプロ初登板初勝利を飾った日。その記念日に、通算1000投球回も達成した。

 「まさかこんなに長くできるとは。まだまだ体は元気。また1つ、2つ山を登れるように頑張ります」。球団3年ぶりの秋田での一戦を勝利に導いた。エース菅野が本来の安定感を発揮できていない中、山口が首位を走るチームを支える。(岡村 幸治)

 ▽山口(巨人)通算1000投球回 29日のヤクルト10回戦(秋田)で先発して7回に達成。プロ野球353人目。初登板は横浜(現DeNA)時代の06年6月29日の巨人戦。

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