阪神・青柳に試練の時 2試合連続4回KO「自分のピッチングできなかった」

[ 2019年6月30日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神1―6中日 ( 2019年6月29日    ナゴヤD )

4回5失点と苦しい内容だった青柳(撮影・大森 寛明)
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 阪神は29日の中日戦に1―6で敗れ、2連敗で再び勝率5割へ戻った。虎投の勝ち頭としてリーグ戦再開初戦を託された青柳晃洋投手(25)が2回に四球から崩れて5失点を喫するなど4回KOで5敗目。4月にプロ初完封を飾った相手に手痛いリベンジを食らった。4回降板は2試合連続で、試練の時が訪れた。チームも交流戦明けは4年連続黒星。4位・DeNAに0・5ゲーム差に迫られた。

 ちょうど2カ月前とは全く“別人”のような結果だけが残った。敗れた青柳は終始、険しい表情で苦投を振り返った。

 「四球2つから5失点で。自分のピッチングができなかった」

 落とし穴にはまったのは2回だった。1死から高橋、井領の左打者2人に連続四球を与え、阿部に右前へ運ばれて満塁。続く加藤には右翼線を破られる2点適時二塁打を浴びて先制点を献上した。さらに平田、大島にも適時打を許して5失点。序盤の大量失点が重くのしかかり、投打の歯車は早々と狂った。

 “倍返し”を食らった。4月29日に同じ敵地のマウンドで5安打に封じてプロ初完封を成し遂げ、快投の再現を期待された再戦。やられた相手が無策で来るほど甘い世界ではなかった。初回は一塁送球の不安を誘うように平田、京田、大島が3人続けてバントの構えを見せて揺さぶりをかけてきた。結果的に3者凡退で終えても、雪辱への執念が伝わる攻撃を見せられた。

 大量失点した2回は1死一、二塁から阿部に許した右前打が効いた。2球目から2球連続で投じた内角へのツーシームを見逃され、やや高めに浮いた外角直球を痛打された。前回完封時は13打席で無安打(2四球)に封じるなど完璧に抑え込んだ中日の右打者に浴びた今季初めての安打だ。得意とする右打者への内角球に手を出してもらえなかった。

 「(バントの構えなどは)やってくるのは当たり前なので。それ抜きにしても、自分のボールを投げられず苦しくなった」

 青柳本人はあくまで自らの乱調が招いた敗戦だったことを強調しても、対策を練られて攻略された格好だ。西、メッセンジャーも控える中、節目の“開幕”のマウンドを託された期待に応えられず、19日の楽天戦に続く4回降板。矢野監督も「5点はやっぱり重い。結局はあそこだけ。あそこで5点を取られて…」と嘆いた。開幕からローテーションを守ってきた男に正念場がやってきた。(遠藤 礼)
 

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2019年6月30日のニュース