大船渡・佐々木に試練の夏 10日間で6戦の超過密日程 初戦は7・15

[ 2019年6月27日 05:30 ]

大船渡・佐々木(撮影・吉田 剛)
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 7月11日に開幕する第101回全国高校野球選手権岩手大会の抽選会が26日、盛岡市内で行われた。高校史上最速の163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)を擁する大船渡の初戦は15日の2回戦、遠野緑峰戦(花巻)に決まった。4回戦までシード校と当たらないが、甲子園には24日の決勝まで10日で6試合を戦う過密日程。悲願の甲子園出場へ、令和の怪物の挑戦が始まる。

 残りの枠は約15校。くじを引いた千葉主将が「59番」と声に出すと、会場のあちこちから「おおっ」とのどよめきとともに、歓声が上がった。佐々木朗を擁する大船渡の初戦は、その1つ前でくじを引いた遠野緑峰が相手。千葉は「普段やっていることをそのまま出せれば。目標は甲子園出場です」と宣言した。

 遠野緑峰は新チームになった昨秋から公式戦の白星はない。大船渡も同校と今春に2度練習試合を行い、ともに勝利した。だが、油断はない。国保陽平監督は「(春季岩手県大会では)初戦で敗れているので、ヤマ場は初戦」と強調し「粘り強く戦ってくるチームなので一生懸命戦いたい」と表情を引き締めた。

 4回戦までシード校と当たらない比較的戦いやすい組み合わせ。しかし、2回戦では最も遅い15日に入ったことで、24日の決勝まで10日で6試合を勝ち抜く必要がある。試合時間も3回戦は午前9時開始予定だが、それ以外は正午前後。炎天下での戦いが予想される中で、いかに佐々木朗を温存できるかが、鍵となる。国保監督も「佐々木にはすでにエースナンバーを渡したけど、投手は全部で5人登録した。コンディションによって起用法を考えたい」とポイントに掲げる。

 佐々木朗は「チームが勝つために任されたところを投げたい。何が何でも甲子園に行きたい」と覚悟を口にしてきた。5月からは練習試合で連戦連投して準備を進めている。初戦まで1カ月を切り、右腕の調子も上がっている。直近の23日の水沢工との練習試合で完封勝利を挙げたことを明かした国保監督は「今のところ(佐々木朗の)調整は順調です。ギアも必要な時が来れば(上げられる)」と準備は整いつつある。

  大船渡一中の時に強豪私学からの誘いを断り、仲間たちと一緒に地元の公立校・大船渡へ進学した。打線でも4番を務める大黒柱は「私立高校を倒したかった。それで勝つことに意味がある。このメンバーで甲子園に行くことが大切だと思っている」と話してきた。信頼する仲間とともに、同校では春夏に出場した84年以来、35年ぶりの甲子園へ、高校最後の夏に向かう。 (武田 勇美)

○…大船渡と初戦を戦うことになった遠野緑峰・菊池主将は「実は友達と“大船渡と当たったらどうしよう”と話していた。勝って有名になりたい」と意気込みを話した。大会までには佐々木朗対策として、マシンをプレートより近づける打撃練習を行う予定。「新チームになってから公式戦はまだ1勝もできていない。どこが相手でも頑張りたい」と初戦突破を目指す。

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2019年6月27日のニュース