阪神・近本“虎の穴”で磨いた自慢の足 関学時代に“ケガの功名”

[ 2019年6月27日 06:44 ]

走塁練習をする近本(撮影・坂田 高浩)
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 阪神・近本光司外野手(24)が関学大時代に故障をきっかけに通った「ダイナミックスポーツ医学研究所」では治療の他に走塁理論も学んでいた。当時を知る柳田育久院長は本紙の取材に「赤星憲広氏(本紙評論家)やロッテ・荻野貴司外野手のような印象」と振り返り、プロ入りを見据えたプログラムに取り組んでいたことを明かした。

 関学大時代の故障経験は今の近本を語る上で欠かせない。3年から4年の秋ごろまで通った「ダイナミックスポーツ医学研究所」は元メジャーリーガーの野茂英雄や騎手の武豊など一流アスリートが利用した実績もある“虎の穴”だ。近本は大阪市内の施設を定期的に訪れ、毎回2~3時間にわたって治療やトレーニングに努め、理学療法士から走塁のアドバイスも受けた。

 きっかけは3年時に突然襲われた両足太腿裏の痛みだった。病院で検査しても異常は見つからず、同じ悩みを持つチームメートも通っていた同院を薦められた。検査の結果、原因は筋肉の使い方やコンディショニング不調だと判明。以降は練習後に同院に立ち寄ってから自宅のある淡路島へ帰る日々を続けた。

 治療と並行し、歩き方や走る姿勢を見直した。筋力が強い分、負担がかかりやすい走り方だったことで、改善策としてスタート時は重力と地面反動を使って走るように指導された。主治医で院長の柳田育久氏は「本当に意識が高くてストイックにやっていた。小柄ながら筋出力の能力が高いがために、それに頼って故障しやすい面があった」と振り返る。

 同院では赤星氏ら走力に優れるアスリートを研究。疑問や不安を払拭(ふっしょく)するため、映像を使い、いい例と悪い例を比較した。地道な“鍛錬”を重ね、体は強くなっていった。

 交流戦を終えて72試合で打率・268、6本塁打、24打点、18盗塁。新人ながら猛虎の1番打者に定着する活躍に同院長は「大学時代は、ようけがをしていたけど、よく頑張っていると思います」と目を細め、「人工芝の球場が多いので今後もコンディショニングに気をつけて頑張ってほしい」とエールを送った。(長谷川 凡記)

▼近本(ダイナミックスポーツ医学研究所での取り組みについて)けがをしたのがきっかけで、治療だけではなくて、トレーニングもできるのでよく行っていました。

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