ルール認知されてる?球宴ファン登場新方式は“失策”か

[ 2019年6月27日 05:30 ]

 【プレスα ジェフ・ウィルソン】MLBのオールスターゲームはNFL、NBAなども含めた4大プロスポーツの中でも、一番盛り上がる。ホームランダービーはイベントの華だし、試合も投手がしっかり抑えようとするから、他球技のような淡泊な点の取り合いにならず、引き締まった内容になる。

 しかしながら、他のメジャースポーツイベント同様、近年視聴率は下がってきており、MLBは何かをしないとと考えていた。打開策の一つが新しいファン投票のやり方だ。予備選で3人を選び、3人の本選でリーグを代表し先発する野手を決めるが、ファンの関心を呼ぶドラマチックな選挙戦になるのかどうか。

 例えばア・リーグ外野手の予選1位はマイク・トラウトの337万票で、2位が256万票のジョージ・スプリンガー、3位が166万票のマイケル・ブラントリー。本選でここに予選5位、132万票のムーキー・ベッツが割って入るのが果たして良いことなのか?なぜ、もう1回投票し直す必要があるのか?本選は予選の得票数をカウントしない。その方が誰が選ばれるか予想しにくくなるが、予選の票を切り捨てていいのだろうか?

 オールスター投票には元々、不公平な面がある。有名な選手はその年活躍していなくても票が集まりやすい。今年だとアストロズのホセ・アルテューベ。ケガで45試合出場、打率・251なのに、ア・リーグ二塁手部門の2位。カブスのアルモラは打率・247、7本塁打で、本選に残った。熱狂的カ軍ファンのおかげで、ナ・リーグ外野手の9つの本選枠に3人が送り込まれている。一方、私の取材しているレンジャーズではア・リーグ西地区2位の好成績なのに、DHでハンター・ペンス、外野でジョイ・ギャロが残っただけ。ペンスは謙虚に「投票してくれる人が一人いるだけでもうれしい」とコメントしている。レ軍ファンは熱狂的という点ではカ軍ファンにはかなわない。私の心配はファンが2人のために投票してくれるのかどうかではなく、果たしてルールが変わったことをきちんと認知しているのかというレベルなのである。(フォートワース・スター・テレグラム紙レンジャーズ担当=構成・奥田 秀樹)

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2019年6月27日のニュース