長野久義という男 「よそ者」の記者を一番に受け入れてくれた懐の深さ

[ 2019年1月24日 10:30 ]

背番号5のユニホームを着てマツダスタジアムのグラウンドでポーズをとる長野 (撮影・奥 調)
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 16年1月のグアム自主トレ取材。まだ巨人担当になって5日目と日が浅く、遠慮がちにグラウンド隅にぽつんと立ち、三塁でノックを受ける長野、坂本勇、村田(現ファーム打撃コーチ)、岡本を眺めていた。寂しそうに見えたのだろうか。「野球は大丈夫ですか?一塁に入りません?」と声を掛けてくれたのが長野だった。うれしさのあまりグラブを手に一塁へ走り、全員の送球を受けたのを思い出す。「よそ者」を一番に受け入れてくれた。

 野球について多くは語らない。ただ、記者の熱意はくんでくれる選手だった。昨年の開幕直前、「僕なんか誰も興味ないからそっとしておいてくださいよ」と2度断られた。開幕が2日後に迫った練習日。意を決してジャイアンツ球場の通路で追いかけ「このままでは開幕できません!」とアタックすると、ボールの下を叩く意識を小声で教えてくれた。天性の「右打ち」打者の言葉は説得力があった。その打撃で広島ファンをうならせてくれるだろう。 (巨人担当キャップ・神田 佑)

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