中畑清氏 暴力か?愛のムチか?世代超えた議論で子供たちの夢広がる球界に

[ 2019年1月22日 08:30 ]

横浜商大・佐々木監督「感謝の集い」であいさつする中畑氏(中央)
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 【キヨシスタイル】新しい流れなのだとしたら、うれしいな。昨秋の関東大会で準優勝し、センバツ出場が確実視されている春日部共栄の監督が昨年4月の練習試合中、部員に平手打ちなどの体罰を与えた問題。高野連は「指導者の暴力事象とチームは切り離して考える」という。

 以前なら「連帯責任」でアウト。甲子園を目指して頑張ってきた球児の夢が奪われていたかもしれない。でも、今回は大丈夫そうだ。切り離して考えるってことは、現在指導を自粛している監督はともかく、チームはおとがめなし。これがあるべき姿だ。25日の選考委員会を楽しみに待ちたい。

 ただ…。暴力は絶対に許されない時代と分かっちゃいるけど、どこか解せない部分も残ってる。

 先週末、学生野球の集まりが続いた。19日は我が駒大野球部の「創部70周年記念祝賀会」。20日は今年度限りで勇退し、総監督に就任される横浜商大・佐々木正雄監督の「感謝の集い」だ。

 駒大の終身名誉監督になった太田誠さんと佐々木さんはともに監督を35年間務められた。お二方とも今なら間違いなく「パワハラ」と認定される熱血指導。逃げも隠れもせず、ご自身が認めている。佐々木さんの会では教え子代表であいさつした現阪神の山崎憲晴の言葉が胸に刺さった。

 「DeNA時代の中畑監督もおられますが、私の野球人生で監督と言えるのは佐々木監督しかいません。平手打ちもげんこつも受け、土に埋められもしましたが、今となっては財産です」

 要は受け手がどう感じるか。佐々木さんの会には約1200人が参加。憲晴のように感謝している教え子がそれだけいるってことだよ。

 その一方で、DeNAの筒香が「今行われている指導は正しいのか」と球界全体に警鐘を鳴らしている。うれしいよ。15年、キャプテンにしてよかった。口数の少なかった選手が今や球界の第一人者としてメッセージを発信してるんだ。

 私たち古い世代も筒香を代表とする若い世代も目指すゴールは一緒だ。子供たちの夢が広がる野球界。世代の枠を超えて議論し、新しい世界をつくっていけたらいいな。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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