【東千葉】木更津総合、市船以来の3連覇 二刀流・野尻フル回転

[ 2018年7月26日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念東千葉大会決勝   木更津総合10―2成田 ( 2018年7月25日    ZOZOマリン )

3年連続甲子園出場を決め喜びを爆発させる野尻(中央)ら木更津総合ナイン(撮影・沢田 明徳)
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は25日、29大会56試合が行われ、新たに12代表が決まった。東千葉大会では木更津総合が、98年の市船橋以来となる3連覇を達成。二刀流エースの野尻幸輝(3年)が2安打&2失点完投で7度目の夏の聖地に導いた。

 9回2死満塁。8点リードも、油断はしなかった。マウンド上の背番号「5」の野尻は力を込めて直球を投げ込み、最後の打者を中飛に打ち取ると、右人さし指を突き上げた。3連覇。「何も考えられなくなって、ガッツポーズした。3度目の夏は自分が連れていくと思っていた」

 岐阜・関ボーイズ時代の本職は捕手で、投手も兼任していた。高校入学後は主に左翼や一塁を務めながら投球練習も続けてきた。一昨年は早川(現早大)、昨年は山下(現法大)とエース左腕が大黒柱としてけん引したが、今年のチームは投手事情が厳しかった。

 大会直前、五島卓道監督が「投手をやってくれ」と打診。1年春からベンチ入りしていた野尻は「3年間、先輩たちに良い思いをさせてもらった。(投打両方で)チームを背負ってやるのは使命」と燃えた。両立は簡単ではないが「一番最初にグラウンドへ行って一番最後まで練習すればいい」と、毎日100球以上投げ込んだ。

 「早川や山下に比べたら遅咲き。一番叱られたんじゃないかな」と指揮官。それでも練習試合で完投後、さらに100球を投げ込めるタフさを備えた。今夏は3試合に先発し準決勝、決勝先発の大役も任された。成田打線に11安打されながら2失点。野手経験に裏打ちされた得意のフィールディングやクイックなどで、3度も送りバントを阻止した。「練習でやってきたことができた」と143球の熱投に汗を拭い、4番としても準決勝ではサイクル安打をマークし、この日は2安打1打点と躍動した。

 大阪桐蔭の根尾とは中学時代、岐阜県選抜でチームメート。自身は4番を務め、3番を務めたライバルより一足先に切符をつかみ「甲子園で戦ってみたい」と対戦を熱望した。聖地で1つ勝てば指揮官の甲子園通算10勝となる。「10勝目をプレゼントしたい」。二刀流の夏は続く。 (松井 いつき)

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2018年7月26日のニュース