マー君 今季初完封!日本人最速メジャー60勝 野茂、黒田、岩隈超えた

[ 2018年7月26日 05:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース4―0レイズ ( 2018年7月24日    セントピーターズバーグ )

<レイズ・ヤンキース>今季初完封し、笑顔を見せる田中
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 ヤンキースの田中将大投手(29)が24日(日本時間25日)のレイズ戦で後半戦初登板に臨み、3安打の今季初完封で8勝目(2敗)を挙げた。メジャーでは昨年4月以来3度目の完封で通算60勝(30敗)に日本人投手最速で到達した。両太腿裏の張りで離脱するなど不本意に終わった前半戦のうっぷんを晴らす快投となった。

 105球目。田中は内角ツーシームで遊ゴロに仕留め27個目のアウトを手にした。近づいた捕手のロマインと抱き合うと笑顔。昨年4月27日のレッドソックス戦以来となる完封劇に「今日は一番は制球。全てがいい循環になった」とうなずいた。

 力みのない投球フォームから内外角へ散らした。4回までパーフェクト投球。唯一のピンチとなった5回無死一、二塁も、ロバートソンにスプリットを意識させて最後は外角へのスライダーで空振り三振。続くスミスは真ん中低めにツーシームを投じ、一ゴロ併殺に仕留めた。

 ストライク率は70・5%で初球ストライクは打者29人中22人。前半戦、球が高めに浮いて15試合で18本塁打を浴びたが、この日は内野ゴロアウト16(併殺2つ含む)に9奪三振、飛球アウトはわずか2つだった。全ての球種が低めに制球され、バットの芯を外した。

 球宴による中断期間に映像を見て前半戦の自分を見つめ直した。登板間の投球練習には分析担当者が立ち会い、端末を使って球の回転数などを確認。雨で登板日が2日延びたことも味方に、調整を重ねてきた。15日の前半戦最終登板後に「まだこんなもんじゃない」と話した修正能力の高さを発揮した。

 3度目の完封でつかんだ白星で日本人投手4人目の60勝に到達した。登板数121試合は134試合で到達した岩隈(マリナーズ)を抜き、日本人投手最速だ。勝率は・667。メジャーで通算60勝以上を記録している投手で勝率・667以上は17人しかいない。

 チームは貯金29だが、首位レッドソックスとはまだ5ゲーム差ある。追走には田中の力が不可欠。アーロン・ブーン監督も「ここからリズムに乗ってくれれば」と期待した。

 両太腿裏の張りで6月から7月にかけ約1カ月離脱し、防御率はまだ4・09。7回を投げきったのは今季初めてだ。田中も「今まで自分が信頼を失ってきた。これだけでは信頼回復にはならない。それを覆すには自分でやっていくしかない」と言った。後半戦初登板で得た最高の感触を次へとつなげるだけだ。(杉浦 大介通信員)

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