西武・榎田「最高」古巣虎斬り 10年ドラ1新天地で“恩返し”

[ 2018年6月4日 06:04 ]

交流戦   西武10―5阪神 ( 2018年6月3日    メットライフD )

5回、1死一、二塁、北條(右)のゴロを二塁へ送球する榎田(撮影・成瀬 徹)
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 恩返しの白星で過去の自分を超えた。西武・榎田大樹投手(31)が3日、古巣・阪神戦に先発し、7回5安打3失点で5勝目を飾った。13年の自己最多4勝を更新し、史上初となった藤浪との阪神ドラフト1位対決も制した。7勝の多和田、6勝の菊池に次ぐ勝ち星で、3月にトレードで移籍加入した新戦力は欠かせない存在となっている。

 これ以上ない祝福だった。ヒーローインタビューを終えた榎田に、スタンドの黄色いユニホームに身を包んだ虎党から声が飛んだ。「おめでとう」「阪神に帰ってこいよ〜!」。新天地で古巣から挙げた勝利を心から祝福してくれたファンに、感謝を口にした。

 「7年間、阪神にいたので、そういう姿を阪神ファンの方々に見せたかったのでよかったです。最高ですね」

 7年間所属した阪神との初対戦。「意識しないようにしたけど、一緒にやってきた仲間が打席に立つと力が入ってしまった」。5回まで3安打無失点も「意気込みすぎてバテてしまった」と振り返る。4―0の6回に連続四球から中谷、陽川に連続適時打を浴び1点差に迫られたが、今季最多の111球を投げ7回5安打3失点で粘り勝った。

 中継ぎでフル回転したプロ1年目の11年、62試合登板は阪神の新人最多登板記録だったが、その後は左肘手術を経験。昨季は3試合の登板に終わると、今季開幕直前、結婚記念日でもあった3月14日にトレード発表。エース菊池に次ぐ先発左腕として、請われての移籍だった。4月12日のロッテ戦で移籍後初先発初勝利を挙げると、ローテーションに定着。古巣との初対戦で3試合ぶりの5勝目に「平常心だと思っていたけど、投げ終わってみたらいつもより疲れがあった」と苦笑いした。

 3連戦の3戦目。前日までの2日間は、かつての同僚へのあいさつで忙しかった。「“よかったな”と言われたり、(藤川)球児さんには急にハグされた。逆にやりづらかったけど、元気な姿を見せられてよかった」。古巣の同僚もファンも黙々と粘り強く投げる左腕を見てきた。試合前は2位・日本ハムとゲーム差なし。負ければ、首位陥落の可能性もある中で粘投で1ゲーム差に突き放した。そんな姿を今度は新天地のファンに見せ続ける。 (春川 英樹)

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2018年6月4日のニュース