ミスター超えへ 西武・源田フルイニング出場で打線をけん引

[ 2018年6月4日 09:30 ]

西武の源田
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 【宮入徹の記録の風景】休まない。西武の源田壮亮内野手(25)は新人だった昨年チーム143試合にフルイニング出場。2リーグ制後、ルーキーのフルイニング出場は56年佐々木信也(高橋=154試合)、58年長嶋茂雄(巨人=130試合)、61年徳武定之(国鉄=130試合)に次ぎ56年ぶり4人目の快挙だった。

 そして源田は今季もここまで全51試合にフルイニグで出場している。過去の新人フルイニング出場の3人が翌年どこまで続けたか調べると、佐々木155試合、長嶋220試合、徳武135試合。源田は既に194試合まで伸ばしており、順調に行けば7月中に長嶋の記録を抜き去る見込み。2リーグ制後初となる新人から2年連続フルイニング出場も現実味を帯びてくるだろう。

 打撃面では4日現在、62安打をマーク。昨年新人としては歴代単独3位の155安打を放ったが、今季はシーズン換算で173安打ペース。新人150安打以上の打者が2年目も150安打を超えれば58、59年の長嶋茂雄(巨人=153安打、150安打)に次いで2人目。「2年目のジンクス」とは無縁でパ・リーグ初の記録を目指している。さらに源田は勝負強さも併せ持つ。昨年は新人ながら得点圏打率はリーグ3位の・344。今季は5位ながら・370と数字を上げており、チャンスでの打撃に磨きがかかっている。

 加えて俊足。盗塁はリーグ1位の西川(日本ハム)の20盗塁に次ぐ2位の18盗塁。こちらは50盗塁ペースで昨年の37盗塁を上回る可能性が高い。盗塁失敗もわずか4度しかなく、盗塁成功率は・818。昨年は盗塁死が10度あり成功率は・787だから、盗塁技術でも成長の跡がうかがえる。

 昨年の源田は37盗塁を決めたが、盗塁王の西川(日=39盗塁)とは2個差で及ばず2位。46年河西俊雄(南海)、01年赤星憲広(阪神)に次ぐ史上3人目の新人盗塁王を阻まれた。それでもパ・リーグで2年目に盗塁王を手にすれば54年鈴木武(近鉄)、70年福本豊(阪急)、98年小坂誠(ロッテ)と並ぶ最速タイ。今季は西川との争いに勝ってタイトルにつなげたい。

 足を生かした三塁打の多さも源田の強みだ。今季の三塁打はリーグ1位の7本。昨年は10本を記録したが、過去に、新人から2年以上連続で2桁三塁打は50〜52年蔭山和夫(南海)の3年連続があるだけ。源田が史上2人目になるのは間違いなさそうだ。また、シーズン最多三塁打は51年金田正泰(阪神)の18本。パ・リーグ記録は53年レインズ(阪急)の16本となっている。今季の源田はシーズン19本ペースで三塁打を量産。半世紀以上も破られていない記録への挑戦も注目される。

 ところで源田の三塁打はチームに弾みをつける。昨年は三塁打を放った試合に西武は7勝3敗と好成績。今季は打った7試合全てで西武は勝利を収めている。スリリングな源田の三塁打に中軸打者のモチベーションが刺激されるのかもしれない。(敬称略、専門委員)

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2018年6月4日のニュース